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目が覚めて横を見ると、すでに鳴上さんはいなかった。
さっきまであんなに熱かったのに、嘘みたいに部屋の中は静寂に包まれている。
「......はは......馬鹿なことしたなー......」
流れる涙を隠すように、目元を腕で覆った。
暗くなった視界で思い出すのは、やっぱり鳴上さんで。
残った怠さと、なぜか綺麗になっている身体が、無性に悲しくさせる。
「......っ。ぅ.......」
これからが怖い。
男を受け入れて喜ぶ身体が、女の子を幸せに出来ると思えない。
自分から逃げて選んだ道なのに、ここからも逃げたくなる。全てを投げ出したくなる。
『凌真様なら、大丈夫です』
そんな言葉、ただの気休めに過ぎないって分かってる。
でもあの鳴上さんが大丈夫だと言ってくれたんだから、俺はまだ普通になることを諦めない。諦められないんだ。
どうか今日のことが、いっときの過ちだと思える日が来るように。
どうか、どうか、お願いします。
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