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「触って欲しい?」
「なっ.......」
「素直になる練習。俺はいいけど、お前は気にしてんだろ?だったら、手伝ってやるよ」
久しぶりなのに優しくするとかないのかよ。
意地悪く口端をつり上げる賢斗を睨めば、一層楽しそうに目を細め、ジーンズの上から触れるか触れないかくらいの距離で、なぞられた。
「......っ。な、にしてっ.......」
「ほら。こんなんじゃ我慢できねえだろ?」
「......っう......」
ちゃんと触ってくれない賢斗がもどかしくて、俺は賢斗の首にぎゅうっと抱きつく。
「こーら、修弥。それも可愛いけど、ちゃんと言葉にしろ」
「やぁっ.......むり。むりっ......」
「......修弥。俺はお前の気持ちが俺にあるんなら、別にこのままでもいい。けど、そんな中途半端なことしたら、お前が後々悩むのは目に見えてるだろ」
その賢斗の言葉は、この行為の話なんかではなくて、これからの俺たちのことを言っているのだろう。
確かになあなあな関係だと、俺は些細なことで不安になって、賢斗のことを信じられなくなる。
ちゃんとした約束がないと、俺は自信を持っていられない。
「......や......ぁ」
「だから、まずは練習だ。お前の思ってること、ちゃんと俺に伝えろ。しっかり受け止めてやるから、な?」
俺もちゃんとしたい。ちゃんとした関係を築きたい。
頭が蕩けてきたのも手伝って、俺は少しだけ素直になる。
「う......直接、さわっ、て......」
「よく出来ました」
微笑んだ賢斗が、俺のジーンズのファスナーを下げる。
ジーンズと下着を脱がされ、俺は恥ずかしくてまた賢斗に抱きついた。
「......可愛い」
「やっ......ああっ、あっ......」
賢斗が俺のを直接触り始めて、俺の口からはあられもない声が出る。
賢斗の手はすごく気持ち良くて、俺の好きなところを集中的に攻める。
「ここ、好きだろ。カリんとこ」
「やぁっ......やだ、そんなしちゃ、やだぁっ」
「じゃあ、本当のこと言えるか?言えるんなら、ちゃんとお前のペースでやってやる」
「あっ......ああっ......っ」
俺が思ってること。
そんなの決まっていて、俺はそこから逃れられない。
「俺......賢斗にも、鳴上にもっ、どっちにも酷いことした......俺はいつだって......んっ......自分のことしかっ、考えられない......」
俺は本当に最低なことをした。
責められても仕方がないことしたのに、二人とも俺を責めようとはしない。
いつの間にか手を止めた賢斗が、俺の額をこつんと小突く。
「良いんだよ。わがままなのが修弥だろ?」
「......そんなの理由にして良いはずないっ」
「だけど、俺たちはそんな修弥が好きなんだ」
「......っ」
「ていうか、俺の方が最低だろ。鳴上さんから修弥を無理やり奪った」
「そんな......」
賢斗の顔はものすごく辛そうだった。
賢斗だって鳴上とは昔からの付き合いで、鳴上のことを尊敬してもいたんだから、当たり前だ。
......そんな二人が俺を許してくれているのに、俺はいつまでウジウジするんだろう。
俺は賢斗の表情を見て、一番最低なのは前に進む機会をもらったのに、後ろばっか見てることだと気付いた。
これじゃあ、皆の優しさを無駄にすることになる。
やっと心が決まった俺は、賢斗の頬に手をあてた。
「ごめん。心入れ替える。だから、そんな顔するな......」
賢斗の唇に自分のそれを重ねる。
「賢斗、好き......。大好き」
ああ、やっと言えた。
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