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ちょうど家に着いたころにメールが入った。
『今終わった!今から帰る!!』
「ふふっ、ほんま子供」
『はーい』って返信をしてからキッチンに立った。直ぐにぷくぷくになる中村の為に、サラダも作っとこう。あいつは用意しなかったら全くと言っていいほど野菜食べへんからな。
エプロンを着けて冷蔵庫を開けた。
30分もしないうちに中村が帰ってきた。
「友希ー、ただいまー」
ばたばたと騒々しく入って来た中村がキッチンにひょっこり顔を覗かせた。今日は衣装のまま帰って来たらしく黒のスーツに身を包んで髪なんかオールバックになってた。
・・・かっこいい。
「おかえりー、なんや今日は雰囲気ちゃうやん」
「そう?着替えるのめんどかったからこのまま帰ってええ?って聞いたら鈴木さんがええよって」
敏腕マネージャーの鈴木さん。珍しいこともあるもんやな。疲れた疲れたと呟きながら髪をがしがしと掻きだす。
「あ、」
「ん?なん?」
「いや、なんもない」
「なになに?なんもないって顔やなかってんけど」
「ほんまになんもないよ。疲れたやろ?シャワー浴びてきたら?」
「うん、髪がっちがちに固められてんからなんか痒い気がしてさ~」
「そうなん?結構似合ってんけどな」
キムチだけやと足りひんくて、白菜をがしがし切りながら呟く。と、中村がいつのまにか真横に立ってた。
「ちょ、もっかい言うて!友希」
「え?シャワー浴びておいで?」
「ちゃう!その後!」
「え?・・・俺なんか言うたっけ?」
「言った!めちゃ言った!」
「えー?・・・んー、分からん」
「ええっ!」
やって、ほんまに白菜に気を取られててなんか言うたかもしれんけど、忘れてんもん。なんか中村がめちゃ悲しそうな顔してるけど、ほんまごめんて。
「・・・ごめん、ほんまになんか言うた?俺」
「・・・いや、ええよ。風呂入ってくんな~」
ちょっと項垂れてから直ぐに顔を上げて、ソファに掛けておいたタオルを手に風呂場に向かった。
「なんか、罪悪感」
ごめんって何度思ってもわからんもんはわからんし、取りあえず機嫌直るようにビールでも用意しておこう。
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