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そしていつものようにやってくる。寝る時間。
「中村?そろそろ帰ったら?」
「・・・・・・」
そうですよね、そう言いますよね。友希は僕のことを考えてくれてるだってわかってても、やっぱり泊まることを許してくれないっていう事実は、僕にとって悲しい出来事なんです。
お笑い番組を観終わって、よいしょと立ち上がって自分の分と僕の分のマグカップを持ってキッチンに消えていく。
シャンプーされたふわふわの金髪が揺れてる。なんて可愛いんでしょ。
「って、なんか僕ばっかり」
そうなんかな?そうなんだろな。僕はずっと不安。そう、不安の塊でしかないんです。
膝を抱えてその間に顔を埋めた。部屋に戻ればそれはもう寒くて。いや、部屋も当然寒いんだけども、友希の温もりがないってだけで僕はいつも泣きそうになってたりして。
次の日朝、友希が朝ごはんを作ってくれる日はまだしも、僕にも友希にも朝から忙しい日もあって、友希に会えない時なんて僕はもう一日地獄のよう。
明日は友希、朝いるのかな?
「友希ー、明日朝は?」
「んー?おるよー。夜ご飯作れんから、朝はいっぱい食べていき」
「うん」
小さな心遣いが君らしいよね、ほんまに。きっと明日、夜ご飯作れんとかいって、お昼用にサンドイッチとか作ってくれんねん。君はほんまに優しいから。
でも、その優しさが僕を不安にもさせてんねん。
誰に対しても、いつでもどこでも優しい君は、きっと、僕と、その他の人に対して全く変わんないんだ。
わかってるよそれが友希やって。そんな友希が大好きなんやもん。
「でも、不安~、悲しい~」
思わず言葉に出てしまうくらい不安定な精神。こんなことなら、告白なんかしないでずっと片想いでいればよかったかな。
うじうじと身体を揺すってソファに突っ伏した。
キッチンからはコップを洗ってる水の音がする。「朝ごはん、パンがええ?ご飯がええ?」って声が聞こえてきたから「ご飯」って即答した。
友希を抱き締めたい。ぎゅうってして大好きって言いたい。そしてそのやらかい唇に、キスしたい。
夜が更ければ更けるほど僕の妄想は暴走していく。(韻踏めたとかどうでもいい)
ほんまは、何回も友希を抱き締めてキスもして、それどころかもっと凄いこともした。
妄想の中で。
そう、思春期か!っていうくらい毎夜毎夜夢に出てくる友希に、凄いことしてる。
ああ恥ずかしい。なんて恥ずかしい大人なんや僕は!
「ううっ・・・・」
ソファに置かれた友希の匂いのするクッションに顔を埋めていると、ますます変な気持ちになってきた。
あかん、帰ろう。これ以上おったらほんまに友希に酷いことしそう。
はっと我に返ってがばっと身体を起こした。友希はまだキッチンにいる。顔を合わせたらもう、ダメな気がする。このまま帰ろう、自分の家に。
・・・どんだけ切羽詰ってんねん自分。
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