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え
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「ただいま~」
って、真暗やし。
鈴木さんに送ってもらって、自分の家やなくて真っ先に友希の家に向かう。当然のように上がりこんで冷蔵庫から水を取り出してグラスに注いでからソファに身体を預けた。
「寒い」
そらそうか、今まで誰も俺へんのやし。呟いてからエアコンのリモコンを探す。定位置にあるはずのリモコンが見当たらない。
珍しい、朝忙しかったんかな?
ソファから手を伸ばしてテーブルの上、ソファの隙間に手を突っ込んでも見当たらない。ふらふらと部屋を歩き回って、キッチンに入る。きょろきょろしてると、シンクのところに何故かリモコンがあった。相当慌ててたんやな。
やっと手に入れたリモコンを持ってリビングに戻った。
スイッチを入れると程なくして温かい風が吹いてくる。もう一度ソファに横になって、大きく息を吸う。
いつも友希と僕が座るこの場所。ああ、幸せ。
むくりと起き上がりごくごくと水を飲み干して、グラスを手にもう一度キッチンに入った。さっき帰りに温めるだけのハンバーグを買ってきたんや。
「友希、何時になるんやろ?お腹、すくよね?」
もう22時をとっくに回ってる。バイト、遅いんかな?迎えに行こうかな?
「でも行ったら行ったで怒られるしなぁ」
友希と諒ちゃんがバイトしてるライブハウス、行ったら目立つって怒られるかもしらんし。前に一回ふらっと行ったら、困った顔して「あかんやろ、こんなとこ来たら」って笑ってたもんなぁ。
「大人しく待って、ご飯一緒に食べよう。そや、米くらい炊けるし、やっとこかな」
友希がご飯を作って待ってくれてるんがどれだけありがたく、幸せなことなんかということを改めて感じながら米を研ぐことにした。
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