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テレビを見てた。うとうとしながら。そしたら足音がしてん、友希の。
がちゃがちゃとキーを回す音がしたから、玄関に向かった。
「ただいまー」
「友希っお帰り!」
「ふはっ、ほんま犬みたいやねぇ、中村は」
僕が玄関に出た途端、友希が噴き出した。犬?僕が?
きょとんとしてる僕に向かってにっこり。
「ただいま、お迎えありがと」
「んーん。友希、おかえりの、」
「はいはい」
靴を脱いで部屋に上がって、抱えてる荷物をそこらへんに下ろしてから友希が僕に向き合う。うわっ、改めてわかるけど、ほんまにジャストサイズ。ぎゅううううっってしたくなるこの身長差。かわええなぁ。って思ってたら友希が爪先立ちで僕の肩に手を置いた。
ちゅ。
「えー」
「なに?」
「なんでもない、です」
「うん」
てっきり口にしてくれるもんと思ってたのに、通り越して辿りついたんは僕のおでこやった。
「ごめんな、ちゃんとご飯食べた?」
「いや、一緒に食べようと思って買ってきてん」
「え、ほんま?食べてて良かったんに。お腹すいたやろ?」
「大丈夫、全然平気」
おでこを掌で押さえながらリビングに移動する。友希のおっきな画材とかを持ってあげて、部屋に入る。あー寒かった。玄関。
全然平気やけど、友希が帰って来る前にポテチとどらやき食べたのは黙っとこう。
ぱたぱたと部屋に消えた友希が、洗面所に入って手を洗う水音がした。がらがらといううがい。あ、ヤバイ。僕してへん。また怒られる。体調管理がなってないって。
ソファで座って待ってると友希が手を拭きながら入って来た。友希の向こうに見える時計は既に23時近くなってる。
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