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。 《初めて名前を呼んだ日》終
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「友希、もっかい呼んで?」
「悟、」
「もっかい」
「あは。悟、」
「友希ぃっ!大好き!」
ベッドにたどり着いて、その勢いのまま友希を押し倒した。
柔らかいスプリングが僕たちを受け止めて、跳ねる。仰向けになった友希の目はぱちりと開いてしまっている。
しまった、起こしてもうた。反省しつつも、僕の下になってる友希を見つめる。
薄く開いた口がいやらしい。って見えるのは僕の欲望が強いからだ。
「友希、めちゃくちゃ嬉しい」
「大袈裟やなぁ」
「やって、ホンマやもん」
「俺も、なんか、恥ずいけど嬉しいかも」
「うん」
イケる。この雰囲気はイケる気がする。友希も、その気になってるかもしらんし。
僕は鼻息が荒くなるのを頑張って押さえながら、友希のほっぺたに手を添えた。
ゆっくりと近づく。
と、思ったのに…。
「あ、悟もう12時過ぎてんで?早よ帰ってねらんと」
「え?」
え?え?このタイミングで??
でも友希は至って普通に、当たり前に。
「今日はごめんな?ありがと」
ああ、友希の言葉の最後にハートが見えるよ。
「うん、おやすみ。また明日な?」
「おやすみ」
その直後にすぅとあっという間に夢の中に落ちていく友希。
おいてかれた僕1人。
ええよええよ、今日は頗る嬉しいことがあったんやから!
友希の声を思い出しながら部屋に帰る。
明日から僕は、悟って呼ばれるんや。
考えて、一人にやけた。
初めて名前を呼ばれた日。
《初めて名前を呼んだ日。》
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