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贈物君渡
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取り敢えず、ジャブを打って友希にホワイトデーを意識付けてからガサガサと紙袋を後ろから出した。
手のひらよりは少し大きめの袋。友希が首を傾げて僕とその紙袋を見比べてる。
「はい、これ」
「え、なんこれ?」
「ええから、受け取って」
「うん、ありがと」
受け取ってふわりと笑った。
やばい、鼻血出そう(笑)
ガサガサと袋を開けて中から取り出したのはそれこそ手のひらサイズの小さい箱。
今日仕事帰りに寄って来たアクセサリーショップで、めちゃめちゃ悩んだそれ。
店員さんは彼女にあげるもんやって勝手に思ったんやろな、ピンクのリボンが掛けてあった。
「わ、なんかかわええ箱やなぁ」
「せやろ?」
リボンに手を掛けて引っ張った。シュルリと解けて箱の蓋を開ける。
中にはピンクゴールドのピンキーリング。
あまり目立たない程度に小さなダイヤが埋め込まれている。
本当は何もないシンプルなデザインが良かってんけど、どうしても何かの石が入ってるのを渡したかった。
「うわっ、これ…」
「僕からのお返しな?」
黙ってじーっとリングを見つめていた友希が顔を上げた。ちょっと困ったような感じなんは気のせい??
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