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幸福時間
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「ありがと、悟。でもこんな高そうなもん受け取れんよ」
嬉しそうに、でもやっぱり困った顔で、複雑そうな顔つきでそう呟く。
ああ、やっぱり友希やな、僕の大好きな友希。困らせてもうたかな?そんなつもりは毛頭ないんやけど。
でもこれは僕のお願いでもあるんよ、友希。
「ちゃうよ、もちろんお返しってのもあるけど、僕が友希に持ってて欲しいねん。ずっと僕の側にいてって意味で」
「悟…」
「それに、僕はいつも友希にあったかいご飯作って貰ったり、掃除してもらったり、そっちの方が贅沢やと思うねんけどな?」
横に座ってる友希の目を見て、いつも言いたくてもなかなか伝えるタイミングがなかったことを、今伝えた。
あー、やっと言えた。
あれ?なんか友希の目が赤くなってきた。
「え?え?ごめ、僕なんか悪いこと言った?」
「ううん、ちゃう、そんなんやないよ」
「え、でもなんか、」
「悟…」
ぎゅうう。
うわっ!友希が抱きついてきた。首に回された腕にいつもよりも力が籠もってて、寧ろ少し苦しいくらい。
そのまま耳元で囁く。
「悟、ありがと」
「え?うんっ」
なんか僕の方が幸せな気分。
ホントのホントは薬指に付けられるリングが欲しかった。でも、それはまだ早い気がした。
僕がもっと有名になって、仕事でもっと成功して初めて、友希に言える気がした。
いつも一緒におって下さい。一生一緒にいて下さい。って。
だからまだ、友希の小指だけ独占させて?
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