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指輪幸福論
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細くてやらかい友希の背中に手を廻して、同じくぎゅうと抱き締める。
世界中のカップルが僕らみたいやったらきっと世界は平和やろうな。(笑)
「なあなあ、友希、つけてみて?」
「うん」
肩に顔を埋めて、離れるのが勿体無いなと思いながら囁いた。
ぐず、と鼻を鳴らした友希が顔を見せて箱からリングを取り出す。
女の子やないから多少ゴツゴツした友希の小指。
「もちろん、こっちやで」
「あはは、うん」
友希の左の小指を取った。
結婚式みたいに緊張しながら友希の指にリングを着ける。
まるで友希の為に作られたみたいにぴったりはまった。
じーっとリングを見ていた友希が、ふわりと笑った。
「えへへ、なんか照れるね」
頬が赤らんだ友希が小首を傾げる。
同じ生き物で、同じ男なのにどうしてこんなに可愛い人がこの世に存在するんやろう?
なあ、誰か教えて。
「悟、ほんまにありがと。大事にするな」
そういって、座ったままちょっと背伸びして、僕のほっぺたにキスした。
うわっ、あかん、もう。
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