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《可愛いという罪》 ~終~
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「おい、悟」
「…なん?」
「なん?やない」
「……」
そして朝を迎えて、時間通りに迎えに来てくれた仕事人間の鈴木さんを目の前にして、僕は案の定、怒られそうな雰囲気。
腕を組み、玄関先でじっと見つめられる。もう寧ろ、おもくそ怒られた方がすっきりすんのに。
「その目の下のクマはなんやねん」
「…クマは、クマです」
「そんなん聞いてんのとちゃう」
「あ、あの鈴木さん!俺が悪いんです!」
「友希君は悪くないよ」
即答!そして、いつの間にか名前になってる!!
ごめんね、と友希に謝って、友希の後ろに隠れる僕の耳を引っ張る為に、上がってきた。
恐っ!!
てか、イタッ!!
「痛いっ!痛い~友希~」
「このアホが」
「あの、あのほんまにごめんなさい!」
友希なんも悪くないのに、鈴木さんに苛められる僕を庇って謝ってくれてる。
ありがとう!大好き!(そういうことと違う)
結局昨日、一睡も出来んかった僕は(そらそうや)友希を抱き締めたまま、悶々と夜を過ごし、寝るどころか寝不足まっしぐらで、今日朝一撮影があるというのに、最悪の顔になっていると。
そして敏腕マネージャーに激ギレされてるというわけです。はい。
「どうせ悟が帰らないとかだだこねたんとちゃうか?友希君困らせて」
「どきーん!」
「声に出とるわっ」
「痛い痛いっ」
ぐいって耳引っ張られた。
慌てて友希が鈴木さんの手を掴んでくれた。
「いや、ほんまに俺もちゃんと帰せば良かったんです!ごめんなさい!」
「ほらみい、お前のせいで友希君が責任感じてもうてんで。お前のせ、い、で」
「友希悪くない!僕が悪いんやって!あやまらんで!」
「当たり前や!!」
恐っ!
もう誰もこの人を止められへんで。
耳がもう千切れるんとちゃうかって思ってたとこで、鈴木さんが時計を見た。
「時間食ったやないか。ほら、事務所戻ってどうにかせなあかんから、行くで。ほなら友希君、ごめんな」
「いえ。ほんまにあんまり悟、怒らんとってくださいね。俺も悪かったんで」
「…友希君に感謝せえよ悟」
「うん、友希ありがと!悪いのは僕やから謝らんとって!」
「社長、今日の企画めちゃ気合い入れてたからな、覚悟しとけよ、悟」
「…」
知らんし。そんなん、友希と一緒に寝れたことに比べたらどうでもいいし!
って頭ん中で考えてたのがバレたのか、頭叩かれた。(相変わらず怖い人や)
バタバタと車に連れてかれる時、家を振り返ったら友希が心配そうにこっち見てたから、手を振ったら、ニコリと笑って振り返してくれてん。
あー可愛い。
ほんまに、友希の可愛さって、罪やなあ。
《終わり》
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