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《宴の後》7
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「友希!友希!ホンマにゴメンっゴメンなさい!泣かせるつもりなかってん!」
友希は僕の腕の中で身を縮めるように、涙を流す。
腕を掴んで顔を見えるようにすると、目を真っ赤にした友希。
突然の展開に唖然としつつも、悲しげに瞳を潤ませてる。
あかん、ホンマに僕、最低や。
「友希、友希、聞いて?」
「ひっく、ひっく、」
「僕な?友希が可愛くて、僕のことで一生懸命なってくれてる友希が大好き過ぎて、そんなわけないってわかってんのに、いじわるしてもうてん。本当にごめんなさい!」
「ふぇっく、ふぇっ」
「全然思ってへんよ?友希が社長とか高橋先輩のこと好きなんやないかとか、まっったく思ってへんよ?変なこと言うてごめんね、意地悪なこと言うて、ホンマにごめんね」
嗚咽を漏らしながら、逃げようとする身体を羽交い締めするように両手を掴む。強張った身体を優しく抱き締める。
友希のおでこに自分のおでこをくっつけて、ひたすら謝る。それ以外なんも思いつかん。
ホンマにもう許してもらえんかもって、ドン底まで反省しながら、友希が許してくれるまで幾らでも謝ろうと言葉を続けた。
「僕、ホンマにアホやし馬鹿やから、友希に好きって言って貰いたくて、こんな最低な事言うてホンマにゴメンなさい!でも信じて?僕な、ホンマに死ぬ程友希が好きやねん。大好きやねん!せやから、」
「ひっく、もう、ええよ」
「友希、」
僕の言葉を遮るように友希が呟いた。
目元を拭いながら、肩で息をしながら、ふにゃりと笑った。
「悟が、俺のこと、好きでおってくれたら」
ああ、僕はなんてことをしでかしたんや。
こんなに愛情深く、優しい人を傷つけるようなことをしてしまうなんて。
「友希!ゴメンなさい、ほんまに!」
「んーん」
「二度とこんなことせえへんから!」
「…うん」
そう言って、ふわりと笑った。
ぎゅううう。
友希、友希、友希。
もう僕はキミがおらんと生きていけない。
生きる意味がわからへん。
「友希、大好き、大好き、大好き!」
「悟、もう、あんなこと、言わんで?」
「ぜっったい言わん!」
「んはっ、ありがと」
なんでここで僕にありがとうなんて言えるんやろ、この人は。
なんか泣けてきた。自分の情けなさに。
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