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Kissing under the mistletoe(期間限定公開)
宿り木の下で5
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ゆっくりとゆっくりと、暁の優しい吐息が降りてくる。愛しさを重ね、想いを重ね、包み込むように優しく、暁の唇が降りてくる。
まるで心臓が耳元にあるみたいに、自分の鼓動の音がうるさい。愛しくてせつなくて、嬉しくて泣きたくなる。
そっと触れる唇。雅紀は目を閉じて、縋るように暁の腕をきゅっと掴んだ。しっとりと重なる吐息と唇。暁の想いがそこから流れ込んでくるようで、堪らなくなる。
あの夜、コンビニの前ですれ違っていたら、この震えがくるような歓びを、自分はこの先知らずに生きて行くことになったのだろう。
暁と秋音と、心を唇を身体を重ねる度に、あの夜の信じられない奇跡を想う。
生きていることが辛かった自分に、己の存在が嫌で仕方なかった自分に、人を愛することの幸せを与えてくれた人との出逢いを……。
汚れている自分が嫌で、トラウマを引き摺り、夜中に恐ろしい夢を見て、何度も泣きながら目が覚めた自分。ごめんなさいと言い続ける自分に、この人は震えが止まるまで抱き締めてくれて、優しく囁いてくれた。
「雅紀。どうしても自分の過去が嫌で堪らなかったらさ、無理に自分のこと、好きになんなくったっていいんだぜ。おまえはさ、俺たちのことだけ想ってろよ。俺たちが、雅紀って存在をどれだけ愛してるか。それだけをずーっと感じてくれてたらいい。俺たちはさ、おまえが溺れちまうくらい、愛情を注ぎ込むぜ。つまんないこと、考える暇ねえくらいにさ、息も出来ねえくらい愛し続けてやるからさ」
見つめられる度に、抱き合う度に、こうしてキスをする度に、繰り返し揺り返し、彼らの想いが流れ込んでくる。彼らの愛に満たされる度に、自分がどんどん浄化されていく気がする。
「……んっ……は……ぁ……」
ふいに、暁の唇が離れていく。
……待って……もっと……
熱い吐息と共に、暁の唇が首筋を擽る。ざらりとした舌でぺろっと舐められて、雅紀は思わずびくんっと震えた。
「……んっふ……んぅ……っ」
暁の愛撫に、急激に昂ぶる自分の身体が、嬉しいのにやっぱりちょっと不安で。感じてしまうことにどうしても臆病になる。
……やべ……。ちょっとがっついちまった……。
縋りつくように自分の髪をぎゅっと握る雅紀の手に、不自然な力がこもった。暁は顔をあげて、自分の下でふるふるしている、愛しい天使を見つめた。
……すっげー……可愛い。雅紀、大好きだぜ。おまえ、ほんと、可愛くて仕方ねーわ。
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