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「こんなとこにいたんだ…」
重い荷物を持って走ったせいか
息切れがひどい……ちょっとは運動しなきゃ…
「別に走んなくてよかっただろ」
キヨはふは、と笑って俺の頭をわしゃわしゃと撫で回した
なにその顔…口元緩んでますけど
そんなに旅行楽しみだったのかな…
「だって、待たせるの悪いし…」
俺はぼさぼさになった髪を手櫛でとかしながらそう言った
「そんなん気にすんな」
キヨは俺を見つめてまたわしゃわしゃと
頭を撫でて、とかしたばかりの髪をぼさぼさにしてきた
「わ、ぼさぼさになるじゃん…」
「わりぃわりぃ」
笑ってるし…絶対反省してないなコイツ
キヨを軽く睨みつけながら
また髪を手櫛でとかした
「さてと、もう切符買ってあるから行くぞ」
キヨは足元に置いていた荷物を持って
俺を見た
「え、もしかして俺の分も?」
「当たり前だろ」
いやいや当たり前なわけないでしょ!
太っ腹かよ!!
「わ、悪いって…後でお金返すよ」
「そんな数百円そこらどうってことねぇよ」
「…ありがとう」
「どういたしまして」
キヨはそう言うと
俺の手を引いて改札口を抜け、
駅のホームまでやって来た
「……」
…あのぉ、キヨさん……
ナチュラルに手を繋いでしまっているのですが…
別に嫌なわけじゃないけど…キヨってあんまりスキンシップとか好きじゃなかったじゃん?
「…あの、キヨさん…?」
「なに?」
キヨは頭上にハテナを浮かべながら
こちらを見た
「…手、いいの?」
俺がそう言うとキヨはハッとして
繋いでいた手を慌てて離した
「…あー、すまん……」
そう言ってキヨはまた俺から顔を背けてしまった
…別に謝んなくていいのに、キヨが良ければずっと繋いでてもよかったけどなぁ
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