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機嫌
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「うわぁ…すっごい美味しそう……」
俺はキヨの『駅弁を買う』という提案に賛成して、売店に来ていた
並べられた種類の豊富な弁当たちを見つめながらほう……、と息を漏らす
すごい、すごい美味しそう…どれにしようかなぁ…
「種類結構あんなー」
キヨは並べられた弁当たちを見ながら
興味深々といった表情で言う
たしかに種類多くて困っちゃうなぁ…
海鮮もいいし、お肉もいいよね〜
あ、天ぷらもある!美味しそう!
「やっぱ肉かな」
キヨはもう弁当を決めたようで
肉が敷き詰められた弁当を手に取った
迷ってる場合じゃないなぁ…早く決めないと…
「まだ時間あるからゆっくり選んでいいぞ」
キヨはそう言いながら俺を見てにこ、と笑った
…なんかさ、さっきからちょっと優しいよね?
キヨ機嫌いいのかな…?
…そんなことよりお弁当決めよっと
んー……
やっぱ天ぷらかなぁ〜よし、これにしよう
弁当が置かれた棚に手を伸ばして
天ぷら弁当を手に取った
「ん、決めた?」
「うん、天ぷらにした!」
手に取った弁当を見せて満足気に笑って言った
「よし」
キヨはそう言うと、俺の手から
天ぷら弁当をひょい、と取り上げた
「会計してくるわ」
…は?いや、それ俺のやつだよ?
キヨまさか2つ食べちゃうの????
「ま、待って…それ俺のだよ」
俺はキヨの服の袖を引っ張って
横目でちら、と弁当を見ながら言った
「…?知ってるけど」
キヨはきょとんとして俺を見つめてくる
「じゃ、なんで……」
「いや、だから買ってやるって…」
キヨは当たり前だ、と付け加えて言った
全然当たり前じゃないよ!?
結構お高いよそれ!数百円そこらじゃないよ!?
「そ、そんなの悪いって……」
「いいよ、別に」
キヨはそれだけ言うと
弁当を片手にすたすたと足早にレジへ向かった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ほら」
「あ、ありがとう…」
俺は差し出された袋を受け取りながら
ちら、とよきを見て言った
なんか悪いなぁ…さっきから奢ってもらってばっかりだ
やっぱり機嫌いい??
「あ、ほら、電車来たぞ」
キヨが言ったと同時に
駅のホームに電車がやって来た
「う、うん」
俺はキヨの後ろをついて
電車に乗り込んだ
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