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到着
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キヨ、寝てる……
めずらしいな、あんまり人前で寝たりしないのに
時間的にはお弁当食べ終わってもうすぐで1時間くら
いになる
お腹膨れて眠くなっちゃったのかな
子供みたい…笑
「んー…暇だなぁ…」
あ、ついひとり言いっちゃった
一人になるとすぐこうなる、皆言っちゃうよね?
でも、やっぱり暇だ
目的地まではあとちょっとかかるし…
暇を持て余した俺は
ふ、と窓の外に視線を向けていた
「あ…夕日だ、綺麗……」
今まで日に照らされてキラキラと光っていた
海も、今では夕日色に染まっていた
すっごい綺麗、キヨにも見せたいなぁ
でも起こすのも悪いし…
今は寝かせとこう…
俺が息を呑んでその景色に見蕩れていると
到着を知らせるアナウンスが入った
「え、あ…、キヨ起きて!着いたよ!」
俺は慌ててキヨの肩を掴んで揺さぶると
キヨは重たそうな瞼を持ち上げて
俺をしっかりと見つめた
「ん……ついたか」
「うん、着いたよ…大丈夫?」
「だいじょぶ…」
キヨは大きく口を開けてあくびをしながら
眠たそうに目を擦って荷物を持った
めちゃくちゃ眠たそう…
転けたりしないでよね……
少しばかり不安を抱きながら
同じように荷物を持って電車を降りた
キヨは俺の後ろをついて電車を降りた
なんかふらふらしてるけど、
寝ぼけてやがんなコイツ……
「ほら、キヨってば、しゃんとして」
俺はそう言いながらキヨの背中を軽く叩いた
「ん…わぁってるよ」
そう言って、キヨは俺の頭をわしゃわしゃと
力任せに撫で回した
だからぼさぼさになるっての!!
ばか!あほ!八つ当たりすんな!!
「ったく……」
小さくため息をついて
ぼさぼさになった髪を手櫛でとかした
…てかこれ何度目よ……
「さてと、旅館に向かいますか」
キヨは大きく伸びをして、スッキリとした
表情でこちらを振り返った
「…うん」
俺は今までの仕返しとして少し、少しだけ不満そうに返事をしてみた
髪をぼさぼさにした罪は重いんだぞ!
覚えとけ!
「よし、ちゃんとついて来いよ」
「…うん」
俺はまた素っ気なく返事をして
満足気に笑うキヨの少し後ろをついて歩き出した
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