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貸切
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俺は今、キヨに手を引かれて旅館の離れにある露天風呂へと向かっていた
…また手繋いじゃってる……
キヨ、嫌じゃないのかな?
実況始めたばかりの頃とかはすごく嫌がってたのに…
キヨの背中を見つめながら、段差の低い階段を登っていく
…ちょっと遠いなぁ、さっき展望台みたいな所あったけど…
「フジ、そこ段差あるから気をつk「うわっ!」…」
キヨが気を利かせて注意してくれたのに、
それを言い終わる前に段差に足を躓けてしまった
しかもその勢いでキヨの方に倒れ込んでいたのだ
「ご、ごめんね」
「いいよ、それより怪我とかしてないか?」
キヨは心配そうに俺の顔を覗き込んで
優しく頭を撫でながら言う
「うん、大丈夫」
キヨが受けとめてくれたからね…、どこも痛くないの
「そっか」
「キヨ、ありがとね」
俺はそう言いながらキヨからすぐに離れた
「おう、…あ、露天風呂着いたぞ」
キヨはまた前を向き直って俺の手を引きながら言った
俺は慌てて前を見ると少し小さめの建物が見えた
「ほんとだ…こんなとこにあったんだ」
「まあ…夜だから分かりにくいな」
ガラガラ、と木製の戸を開いて建物の中へと足を進めた
建物の中へ入ってスリッパを脱いでから
靴箱の中にスリッパをしまっていると、
あることに気付いた
…どの靴箱にもスリッパが入ってない
と、いうことは……?
「俺達以外いない?」
「ほんとだ、貸切だな」
キヨは「ラッキー」と嬉しそうに笑って
脱衣場の方へと消えた
こんな広い露天風呂を貸切……!?
めちゃくちゃラッキーじゃん!
キヨの「貸切」というワードに胸を弾ませて
脱衣場の方へ早足に向かった
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