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露天風呂 K,side
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K,side
俺は今、フジと2人っきりで脱衣場にいる
…そう、2人っきりで
なんだよ、めちゃんこラッキーじゃねぇか
今なら神様信じるわ、神様ありがとう
「わぁー…ここを貸し切れるのかぁ」
フジはそう言って、まだ脱衣場という段階ではしゃいでいる
俺はもっとはしゃいでる←
いやいや、心の中でな?
おおっぴろにはしゃぐわけないだろ、かっこ悪ぃ
つか、はやく着替えよ
俺はしゅる、と帯を解いて浴衣を脱いだ
不意に隣に目線を移すと、
フジも同じように帯を解いて浴衣をはだけさせていた
……なんまらエロい、襲いたい
俺はフジを見るのをやめて下着を脱ぎ、
置いてあった小さめのタオルを持った
「キヨ、入ろっ」
フジはタオルを抱えて俺の前に立つと、
にこにこと笑ってぴょこ、と跳ねた
…やばい、目の前に天使がいる
「お、おう」
口元の緩みを必死に抑えて露天風呂へと続く曇りガラスがはめ込まれた戸を開いた
「わぁ……、すごい…」
フジは目を輝かせて息を漏らしていた
「広いな……」
すげぇ広い、それに景色がいい
照明も少ないから薄暗いし雰囲気あんなぁ
そういえばこの旅館は桜が名物らしい
だから今の季節にはもってこいだな
当然、この露天風呂のすぐ傍にもでかい桜の木がある
そのせいか、桜の小さな花弁が湯に浮いていた
「桜だ……!」
フジはライトに照らされた桜の木を見つめて
幸せそうに目を細めていた
「入ろうぜ」
俺はフジの肩をぽん、と叩いて
入口の近くの小さな洗い場でシャワーの水を出して身体を洗い流した
フジも同じようにシャワーの水で身体を濡らすと、とことこ、と歩いて俺の傍に寄ってきた
……ああ、くっそ
マジで可愛いわ、死にそう
「うひゃあ、気持ちいい」
フジはゆっくりと湯に足を浸からせて
ふにゃ、と笑った
「どれどれ」
俺はそう言いながらぽちゃん、と音を立てて足を浸からせ、小さな波紋を作る
あ〜〜…あったけぇ、沁みるわ〜……
心做しか湯から桜の匂いがするな…
すげえ気持ちいい…
「ふい〜いい湯ですなぁ〜」
フジは中年のおっさんみたいなことを言いながら広い露天風呂の真ん中の方へと移動した
「おっさんかよ」
そうツッコミを入れながら、
フジを追いかけるように真ん中の方へと移動する
「ん〜?鬼ごっこ〜?」
フジは楽しそうに笑って言うと、
俺から逃げるように端っこへ移動し始める
鬼ごっこか…
逃げられると追いかけたくなるんだよなぁ
「……逃がすかよ」
俺は小さく呟いてフジを見つめながら
白い背中を追った
フジはいたずらっ子のように無邪気に笑って
俺からちょこまかと逃げていた
……が、
まあこの俺がフジを逃がすわけがなく、
この鬼ごっこもどきが始まってから1分も経たないうちにフジを端のほうへと追いやった
「キヨ、本気出しすぎだべや」
フジは不満そうに俺を見てくるが、
今はそんなの無視だ
「……」
「……キヨ?」
俺がずっと黙っていることを不思議に思ったのか、フジはこてん、と首を傾げてこちらを見た
……あんま、煽んなよ
こっちだって結構限界きてるし、さ
俺は依然として黙ったまま、
フジと距離を詰めて更に端へと追いやった
こんな至近距離でフジを見るのは初めてかもしれねぇな……
フジの赤く火照った身体に、濡れた黒髪がぺっとりとくっついていた
…エロい
……キス、したい
俺はキスをしたい衝動に駆られ、
思わずフジの顎に手を添えていた
「き、キヨ……?」
フジは不安そうに俺を見つめてくる
…そんな顔したって無駄なんだよ
俺をもっと煽ってるだけだっつの…
我慢出来ずにゆっくりとフジに顔を近付けた
フジは眉を下げたまま、
俺を拒むでもなく、じっと動かないでいた
……んで逃げないんだよ
このままだとキスしちまうぞ
いいのかよ、お前
俺は更にフジに顔を近づけて、
もうすぐで唇が触れ合うという距離で止めた
「……っ」
フジは顔を真っ赤にしてぎゅ、と目を瞑った
その瞬間
俺の中でぷつん、と何かが切れた
俺はフジの頭を片手で引き寄せて
ちゅ、と音を立てて唇を重ね合わせた
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