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寝起き
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チュン、チュン…
なんだろう…鳥のさえずりが聞こえる…
あさ、に、なったのかな…
まだ眠い…まだ寝ていたい……
昨日は部屋に戻ったらすぐに寝ちゃったんだよね
それはキヨも同じっぽいけど…
お布団が暖かい…
それと、誰かに撫でられているような気がする……
頭を撫でている手つきが妙に優しくて、
更に眠気を誘ってしまう
誰だろ…すごく、気持ちいい…
俺は重い瞼をゆっくりと持ち上げて
撫でてくる手の主を視界に捉えようとする
まだ霞む視界の中にはっきりと映った
紅い髪の毛
手首にはいつも着けているブレスレット
「……きよ?」
俺は朦朧とした意識の中でキヨの名前を
おそるおそる口にした
「フジ、おはよう」
キヨはふにゃ、と口元を綻ばせて
俺の頬を柔らかく撫でた
ああ、やっぱりキヨだったんだ…
キヨの手、すごく気持ちいい
人に撫でられるのってこんなに気持ちいいんだ…
なんかさ、寝起きって人肌恋しくなるよね
…ちょっとキヨに抱きついても、今なら怒られないかな
暖かい布団をかき分けて
隣にいるキヨに寄り添って、そっとキヨの体に腕を回した
「は……、ふ、フジ」
キヨがなにか慌ててるっぽいけど、
そんなの気にしない
俺はぴっとりとキヨに体をくっつけて
ぎゅ、と抱きしめた
うん、人を抱きしめて眠るのはとても心地がいい
できればキヨも俺のこと抱きしめてくれないかな…
人と抱きあった時の窮屈感、俺は結構好き
そのままキヨを抱きしめたままでいると、
俺の背中辺りにキヨが腕を回していた
「……きよ」
「うるさい、だまれ」
キヨは低い声でそう言うと、
ぎゅうっと俺を抱きしめてくれた
だまれって……、怖いなぁ
でも、抱きしめてくれた
怒らなかった
やっぱり、やっぱりキヨは優しい…
キヨの胸に顔を埋めるとキヨの匂いがした
微かな香水の匂いと、ひだまりの匂い
心地よい窮屈感とキヨの匂いに眠気を誘われて、再び瞼を閉じようとすると急におでこに痛みを感じた
「っ!!」
「おら、さっさと起きろ」
キヨは俺のおでこにデコピンをかましていた
……いたい、ヒリヒリする
ちょっと強くしすぎでしょ、手加減ってもんがあるでしょ
俺はキヨの腕の中から解放されてしまった
もうちょっと、抱き合っていたかった
…なんて、ね
「さっさと着替えてお土産買いに行くぞ」
「り〜」
「それやめろ、イラつく」
キヨはそう言って俺の頭を軽く殴った
痛い…殴んなくていいべや
さっきまでは優しかったのに
俺は不満が垂れる中、急いで着替えて
荷物をまとめ始めた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
終わり方雑……(--;)
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