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メルティチョコレート
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昨日、セフレのシゲルくんからラインがきて、金曜だし明日久しぶりに輪姦されに来ない?って誘われた。
ボクが「わーい♥行く行く〜!輪姦してェ〜♥♥」なんていうと思ってんのかな。
……予定ないし。行くけど。
“いってもいいけど。何人?”
“今んとこ俺入れてタチ4人”
“4人も?僕知ってる子?”
“たぶん俺以外まさゆき初対面”
4人と夜通しってきつそうだなあ。でも、ちょっとワクワクする。
“会社終わったら、エネマグラ入れてメスイキしながら来て”
“ばっかじゃないの!”
エネマグラなんか入れて電車に乗ったら大変だよと思いつつも、律儀に退社前にウォシュレットで軽くアナル洗って ゼリー仕込んで5cmの拡張用プラグ入れちゃうボクってバカだな。
半日食事もしていない。廻される気満々。
取っ手部分が飛び出さないようにキュッとお尻を閉めて立ち上がると、それだけでボクのGスポットが刺激されて声が漏れちゃいそう。いそいそと服を整えてトイレを出るとエレベーターに乗り込んだ。
「あ、伊藤くーん!」
ロビーを抜けようとしたら、いつも受付にいる女の子に声をかけられた。同期入社の子。
ボクが立ち止まって振り返ると、その子がトコトコと(本当にトコトコって音がしてそうな小動物風)駆け寄ってきて、小さな紙袋を差し出した。
「受付チームからでーす」
「あ〜……ありがとう……」
明日はバレンタインデー。今日はボクみたいな地味男にもお義理ありがとうって感じのチョコレートを同じフロアの女子社員たちかももらっていて、これで4つ目なんだけど、そんなボクのお尻にはLサイズのアナルプラグが入ってるの。
「ホワイトデーは同期入社でご飯ですからね〜。近くあけといてくださいね」
「あ、わかりました〜。お疲れ様、お先です」
これから泊まりで廻されてくるんだ。じゃあ、また月曜日。
会社帰りの男女でざわつくプロントでオレンジジュースを飲んでると、ブルーのダウンにデニム、ラフだけど実はハイブランドっていう、いかにもIT勤めって感じのシゲルくんがスマホ片手に入ってきた。
「待った?」
「待ったよ」
待ってないけど、ぷんっと唇を尖らせる。でもオレンジジュースの量を見ればわかっちゃう。シゲルくんにおでこをペンっと叩かれた。
シゲルくんもビールをオーダーしてきたらしい。
お互いのグラスを飲み干す間、同年代、男友達としての会話を交わした。
ボクたちは大学時代のバイト仲間。シゲルくんの方が2個上。
バイトはとりあえず新宿の健全なダイニングバーだったけど、バイト上がりにそのまま新宿で健全じゃないことをヤる仲になった。
お互いタイプだったってわけじゃないんだけど、強いて言えば二人とも、貞操観念が低かった。
シゲルくんの方が鼻が効いたらしく二人で飲むことになった時(ボクは飲めないけど)お互いのセクシュアリティを確認するのとラブホにころがりこむのはほぼ同時だった。
そしてセックスの相性はすごく良かった。
見た目で言えば、シゲルくんの方がボクより小柄だけど、細マッチョ系イケメンでJSBに紛れてそうな感じ。性格もボクと違って陽気で社交的。バイト先ではお客さんにもスタッフの女の子たちにも人気があった。
恋人同士って感じにならなかったのは、シゲルくんはとにかく手当たり次第な人だったから。
SNSで顔出しでゲイ仲間とつながってるシャイニータイプで、いわゆる「裏垢」では、今日みたいな乱交めいたイベント仕切ったりきわどい写真のっけたりしてる。
ボクはそういう人たち苦手なんだけど、なぜかシゲルくんとは今も付き合いが続いてる。まあ、シゲルくんのおかげで、保健所のHIV定期検査が習慣になったのはいい影響だ。
それにボクにとってシゲルくんは、同性の友達としての存在意義の方が大きかったんだ。
だからなのか、シゲルくんの前では自然と「まゆ」は出てこない。シゲルくんには甘えた気持ちにならない。抱きしめて、とか思わない。
ボク、彼に恋してないんだな〜。
でも、そういう恋愛対象外のつながりってのの方が、人生には大切なんじゃないかと思う。
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