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中庭で猫を撫でていると金城くんがこちらへ走ってくるのが見えた。
「 ぁ、金城くん┈┈。」
少し息を切らした金城くんが、膝に手を起き はぁ、とため息をついた。
「 教室にいないから、すんげぇ探した。」
「 ぇ、┈┈ごめんなさい。あの、机の上に紙を┈┈。」
「 紙??」
悠は机の上に“中庭に行くので、先に食堂へ行ってください。”と書いたメモを置いていたのだが、どうやら金城はそれに気づかなかったのか、将又風で飛ばされてしまったのか。
「 ぁ、その、ごめんなさい。迷惑かけて┈┈。食べる時間┈。」
やっぱり金城くんを待ってから中庭にこればよかった。
昼休みは後10分ほどで終わってしまう。
金城くんが昼食を食べる時間が無くなってしまった。
「 別に迷惑とは思ってねーよ。ただ、心配した。飯も今日はそんな腹減ってねーから気にすんな。」
「 ┈┈。」
金城くんの優しい言葉に、申し訳なさで、何も返せずに下唇を噛んだ。
┈┈
僕はいつも人に迷惑をかけてしまう。
人と話すのが苦手で、怖くて、無意識にそれを避けてしまう。
出来るだけ、話さなくていいように。
そして結果的に相手に迷惑を掛けてしまうのだ。
困っている人に話しかけることも、手を差し伸べることも出来ない。
谷戸くんの時だって、僕がすぐに謝るべきだったのに、怖くて逃げ出した。
今だって、金城くんに直接話していればこんな迷惑をかけることもなかった。
僕は、いつもこうだ。
後悔ばかりが自分の中をぐるぐるとする。
こんな自分が本当に嫌いだった。
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