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74 ※R18
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ぴたりと後孔にあてがわれる熱。
少し腰を沈められれば、すぐにでも吸い付いて飲み込んでしまいそうだった。
やだ……
嫌だ、嫌だ……っ!
「……侑太郎くんって……」
そっと、頬に手が添えられる。
突然降ってきた優しさに、驚いて目を見開いた。しかし、竜也さんの目に写っているのは、俺ではなかった。
「少し、裕也に似てるね」
そう呟いた竜也さんは、悲しそうな顔をしていた。
しかし、それも一瞬。
ゆっくりと腰を沈めてくる竜也さんに、思わず顔を逸らして泣いた。バイブで充分に慣らされた中は、なんの抵抗もなく竜也さんの陰茎を受け入れていく。
「ッ……っ、うーー!」
「っ竜也……!!」
声にならない叫びは、奏英の怒鳴り声と重なった。
竜也さんはそれさえもが愉快だと、笑う。
目を瞑ると、頭の中で映像が流れた。まるで愛玩人形のように嬲り犯される裕也くんと、その上でただ腰を振る男。
乱暴で、独りよがりで、欠片の愛情もない行為。
部屋に響くのは、裕也くんの悲痛な呻き声と、男の息遣いだけ。
「ン、ぅぅ……ッ」
「うわぁ、こんなに泣いて……可哀想だよなぁ奏英。そういえば、裕也も泣き叫んでたよなぁ……あの気色悪い動画でよぉ!」
「ッンンンーー!!」
腸奥を叩かれる、暴力のようなピストンが始まる。
前立腺を擦り上げていくその動きに、喉の奥から悲鳴のような、唸りのような声が上がった。
それは嫌悪感を示しているはずなのに、確かに僅かな快楽を感じ取っている。
その全ては、奏英に植え付けられたもの。
「っ……やめて、やめてくれ……竜也、」
奏英が、震える唇で何かを呟いている。その度に、竜也さんの口先が上がっていく。まるで、悪魔に取り憑かれたみたいに。
でも、なぜか、そんな目の前の男を恨むことができない。
だって、全部奏英のせいじゃねぇか。
お前がこいつの友達にあんなことするから、仕返しされたんだろ。
それだけじゃない。今まで何人殺してきたんだっけ? あんな悪趣味なDVD溜め込んで、お前の心は満たされたのかよ?
「っは……はは、侑太郎くん、きもちいい? きもちいいよな、な、」
竜也さんは、今にも泣き出しそうな顔で俺を見下ろす。その瞳にはきっと、裕也くんが映っているんだろう。
もしかして、竜也さんは、裕也くんの事が好きだったのだろうか。友情としても、愛情としても。
奏英が、何か叫んでいた。やめてだとか、ごめんだとか。でも、そんな事はもうどうでもよかった。
ただ、目の前の兄弟に嫌気がさした。
はた迷惑な悲劇の兄弟。憎み合って、殺しあって……。
「侑太郎くん、ごめん、ほんとごめん、」
「っう……ッ、ン……」
竜也さんの陰茎が、連続して奥を突き上げる。言葉とは裏腹に、気遣う気持ちなど微塵もない。この見世物のように乱暴なピストンは、すべて奏英へ向けられたものなのだろう。
形だけの謝罪を聞きながら、必死に竜也さんの腕にしがみついた。
そうでもしないと、自分がどうなってしまうのかわからなくて、怖くて。竜也さんの気が変わることを必死に祈った。
「っはは……かわいいな、それ……」
「ンッ……っう、ぅ」
次に彼が何をするか、俺は知ってる。
……どうして俺はいつも、希望が見えた瞬間、絶望に突き落とされるんだろう。もしかして、神様に嫌われているのかもしれない。
頼むよ神様、これからいっぱい良い事するから、死にたくない。まだ、死にたくないんだよ……!
「っう!」
そんな願いも虚しく、恐れていた事が始まる。
首に手がかかり、ゆっくりと締め上げられる。
力が強くなっていくにつれ、竜也さんのものが根元まで深く埋め込まれ、奥を割り開いた。
一度、二度と腰を揺すられると、びくびくと体が絶頂の期待に震え出す。
「あー……すごい、締まる………っ」
だめだ。いったら、だめ。
その瞬間、絞め殺される。
裕也くんのように。
足先を丸め、打ち上げられた魚のように、必死に呼吸を繰り返す。
体の力を抜いて、うまく快感を逃しながら、竜也さんを睨みつけた。
それは、随分と迫力のない瞳だったかもしれない。それでも、自身の快楽を削るには充分だった。
「ッ……いけ。いけよ、いけよ……!」
「ぅぐ、ぅ!」
竜也さんの指が、喉仏に食い込む。指の形に凹んだ喉が、呼吸器官を狭めていく。
水の中で溺れているような苦しみなのに、なぜか、快楽は倍になって襲い来る。死を覚悟してか、最後に精を吐き出したいと脳が騒いでいるのがわかる。
無理、いく、いく……!
嫌だ。あぁ……だめ、だめだって!
死にたくないんだ。こんな形で、まだなんにも成し遂げてなくて、情けない俺のまんまで……。
「ぅ……!!」
その瞬間、声を上げたのは、俺だったのか、それとも竜也さんだったのか。
がくんと、竜也さんの体が揺れて、俺の胸へと倒れこむ。
その瞬間、勢いよく腸奥に竜也さんの熱が吐き出される。同時に、不覚にも我慢の糸が切れ、がくがくと痙攣して自分も絶頂を迎えてしまった。
ガムテープ越しに唾液が漏れて、声も、震えも、止まらない。
……ああ、俺、死ぬのか。
「ッ……っ、つ、……」
「んッ、ンン……ッ……ふ……?」
しかし、首にかけられた手は、なぜか徐々に力を失っていった。俺の上に倒れ込んでいる竜也さんの体が、不自然に、何度も、何度も揺れる。
その度に、さっきまで狂ったように笑っていた竜也さんが、苦しげに声を上げて痙攣していた。
「ぁ…………」
そしてついに、ごぽりと口から血液を吐き出し、俺の胸元を汚した。
「っ……え……?」
何が起こったのか、わからない。
首元で、竜也さんの指が動いていた。俺の首に手をかけようと、それは必死に肌をかき泳ぐ。
しかし、ついには全てを諦めたように動かなくなった。
……え? なんだ?
まさか、死んで…………?
「許さない…………」
その時、竜也さんの体がずるりと俺の上から引き剥がされる。
そして、どさりと鈍い音を立てて、まるでゴミのように床へ転がされた。
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