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イヤホン騒動 4(End)
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「玲依、イヤホンいらないのか~?」
(桜よいつまで玲依をなでなでする気だ!)
「はぅ!返して欲しいです!」
(やっぱり大人気ない奴だな)
桜は春輝を呆れたように見ていたがやがて玲依から手を離す。
春輝さんから手渡しされたイヤホンを大切に抱きしめる。
「今度から気をつけます」
春輝さんが僕の椅子のところまで来ると、
僕をヒョイっと持ち上げて今まで僕の座っていた椅子に腰掛けた。
春輝さんの上に僕が向かい合わせに座っている状態だ。
「どうしたんですか?」
「充電中~」
「玲依君、ちょっとそのイヤホン貸してもらってもいいですか?」
「…?はい」
急にどうしたのでしょうか?
僕の宝物2号なのでできるだけ早く返して欲しい…
あっ!
もちろん1号はくまさんです!
大きなくまのぬいぐるみ。
「音楽プレイヤーも貸してもらえますか?」
自分の世界にトリップしていると、
それは桜さんの声で戻され、そう問われたので音楽プレイヤーも渡した。
桜さんは音楽プレイヤーにイヤフォンを接続して耳に当てれば難しい顔をした、
「春輝、お前どんだけ強く引っ張ったんだよ。イヤホン壊れてんぞ」
「マジか!?」
「あぁ」
「っ!?」
僕は桜さんの声はしっかり聞こえていて思わず固まった。
だって、桜さんがそんな冗談を言う訳ないことぐらい僕はわかる。
春輝さんの腕から抜け出しイヤホンに耳を当てても、
そこから音楽が流れることはなく無音のままだった。
「壊れてしまいました…」
大事にしていたのに…
「すまない玲依。新しいの買うから泣かないでくれ!」
「これじゃないと嫌です!!」
壊れてしまうだなんて…
「ふぇっ…・うぅっ……」
悲しくて涙が溢れてしまいその場に泣き崩れる。
宝物が無くなってしまうのはとても悲しくて辛かった。
「何泣かせてんだよ春輝」
「玲依~泣かないでくれよ」
「お前も一緒に泣いてどうする」
「だって…玲依がぁー」
「だってじゃないだよ。大人が泣くなみっともない!」
その出来事から数日間、僕はいじけた。
ずっと桜さんにべったりくっついて行動していたのだ。
そして、春輝さんを見る度ギロっと睨みをきかせていた。
春輝 (涙目で睨んでも怖くないよ~むしろ可愛いんだよ)
桜 (俺はその間いい気分でしたけどね)
春輝 ( 黙れっ!!)
そして、大人2人組の心の会話は玲依はもちろん知らない。
~玲依(13歳)の出来事~END~
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