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大好きな君の話。 zmtn
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※ストーカーネタです※
深夜、月とPCの明かりだけが交わる薄暗い部屋。
時計の短針は12を越え、1を指そうとしている。
俺はいつも通り、液晶画面に映し出される愛しい人を眺めていた。
「……ほんま、可愛えわ」
深夜、愛しい恋人の写真が壁四面全てに貼られた部屋。
部屋のどこに目を向けても恋人の顔があるなんて、俺にとっては泣きたくなる程に幸せな空間。
彼の部屋に設置されたカメラ。
他人には気持ち悪いとか通報するよとか散々言われるけど、これも俺なりの愛の形なんだ。
彼はカメラが苦手なのか、あまりカメラの方を向いてくれない。
こないだカメラはあんまり得意じゃないって言ってたし、恥ずかしがり屋さんなんやろな。かーわいい。
しばらく眺めていると、画面の向こう側の彼が徐ろに携帯を取り出した。
彼は少し画面を操作した後、携帯を耳元に当てる。
誰かに電話でもするのだろうか。
………は?電話?なに、誰に電話するん?俺がおんのに?意味わからんねんけど。
あ?何なん?まさか浮気とか無いよな?
あーこんなんやったら携帯の中身遠隔操作出来るようなソフト入れとくべきやったなあ…しくったわ。
そんなことを思い舌打ちした直後、俺の携帯から特徴的な音が鳴った。それだけで俺の心臓は高鳴る。他の人とは着信音変えてるから分かるよ。
なぁんや、俺に電話かけたかっただけか。
「はーい、どしたんトントン?」
「おーゾム、明日…っていうかもう今日やけど、休みやんな?今から宅飲みでもしよかな思てんねんけどさ、暇やったら来る?どうせまた暗い部屋でゲームでもしとるんやろ?」
「やかましいわw行く行く~トントンちでええん?」
「おん。いつも通り鍵は開けとるからいつでも来てええよ」
ほなね~という声の後に少し間があいてブチッ、ツー、ツー、と言う音が聞こえた。
俺は耳元から携帯電話を離し、はあ、とため息をつく。
嗚呼、その間延びした、油断しきったような声。
そんなんやから頭弱い女に狙われるんやってば。
俺がどんだけ周りに牽制しても足りんやん。
また今度お仕置きかなぁ…
「……あれ、」
そう言えば、
「何で今俺が起きてるって分かったんやろ」
こんな夜中やのに。
俺は頭に疑問符を浮かべながらそう呟いた。
刹那、
画面上の彼の口元が笑の形に歪んだ気がした。
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『まだ、気付かんでええよ』
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