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好き、好き、大好き
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「好き」その気持ちは伝えるのにはちょっと勇気がいる。
もし、素直に言えたなら。もし平然と言えたなら
やっぱり隠した方が浪漫チックだと思う。
ん?根拠?そんなの一番近くにあるよ。
中「おい、青鯖」
ほら来た
太「なんだい?小也」
中「おいコラ、小也ってなんだ。」
ちょっと皮肉に言ってみれば直ぐ食らい付く、まるで犬だよ。
あ、間違えたっ猫(寝子)だったね笑
太「さぁ?昨日寝た子かな?」
そう言うと「ぐっ、、」とか細い声が聞こえる。
中「そーかよ、、」
プイッとそっぽを向いてしまった。
全く、、冗談が通じないんだから、、、
中「なら、さっさと出てけ、、他の奴の家にでも行ってろバカァ、、、」
目がじんわりと赤くなっていて、ズズッと鼻をすする音がした。
拗ねちゃったぁ、、可愛い♡
太「ん、ちゅーやぁ。」
拗ねちゃった中也が可愛くて抱きしめたくなる。
後ろから腕を回し頬を濡らす涙を人差し指ですくう。
太「ねぇ、もし私が君以外の奴の家に行ったらどうする?」
中「!」
肩がぴくっと動いた。
中「嬉しくて、、泣く。」
太「ふーん、なら今泣いてるのはその理由?」
顔を近づける。
目を擦りながら「そーだよ」と言われる。
太「なら、、私はその他の誰かの家に行くか。中也が嬉し泣きまでしてくれてるんだし」
回していた腕をするりと解き中也から離れた。
中也を見ると一瞬固まってからビクビクと小さな背中を震わせていた。
私は構わず玄関へ向かう。
中「ださっ、、!」
っていうフリをしてその場に立っていた。
中「てめぇ、、、ぐすっ」
案の定引っかかった中也が潤んだ目で睨んでくる。
太「どうしたの?名前なんか呼んで」
さっきとは逆に中也に近づき耳元で囁く様に言う。
中「ん、、」
顔を赤くして、甘い声が出る。
太「どうしたのぉ?」
中「て、、てめぇがどっか行くと思って、、」
顔を私の胸に埋めてきてシャツにシワが寄る。
なんだろうこの可愛い生き物。
太「でも、君が行っていいって言ったんだろ?」
膨らみのない胸(男だからね)に顔を埋めてグリグリとしている姿はまるで幼な子の様だ。
中「そんなの、、、嘘だ馬鹿、気付け、、」
太「うん、知ってる。」
中也の小さな身体を抱きしめる。
中「どこ、、、に、くな、、」
中也も返事の様に私に腕を回した。
太「ん?聞こえないよ。」
か細い声で言われた言葉はきっと素敵だろうか。
聞こえていることはナンショ。
中「、、何処にも行くな、、俺の、、そ、ば、、に居ろ。ばか」
勇気を振り絞って言ったのだろうか、顔が林檎のように真っ赤だ
太「うん、何処にも行かないよ。私は君から離れるつもりはないよ。」
私は中也の唇にキスを落とした。
やはり、気持ちを隠すのは浪漫チックだと思う。
素直も時々でいい。
何時までも、そのままの君で。
素直じゃなくて、恥ずかしがり屋で、でも甘えん坊な君が
「好き、好き、大好き、、」
その密かな想いに気付いた中也が「好き、好き、大好き」と囁いたのはまた別の話。
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