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いばら王子
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悠と会わなくなって1週間。梓は、自分でもそろそろ限界だと勘付いていた。
悠は相変わらず学校へ来ないし、家へ行っても出て来ない。
クラスの子に悠がなんで休んでるのかと聞かれても、答えようがないので曖昧に誤魔化すしかない。
何も行動を起こせない自分にも、頑なに会おうとしない悠にも、いい加減イライラしていた。
普段感情をあまり持たない分周りもその事に気づいているようで、悠が来なくなってから梓がイライラしているらしいと学校でも噂になるくらいだった。その噂が聞こえて、更に苛ついていたのは本人以外知らない。
そんな感情がいよいよ爆発しそうになった頃、梓はまた悠の家へ行った。出て来るのは相変わらず彩葉で、何もかもうざったく思える。
ドアの隙間から悠の家へ潜り込み、悠の部屋の扉をバァン、という効果音付きで開く。気づいた時には悠の部屋にいたのだから仕方が無い。止めるも何もなかったのだ。
ベッドの上に、顔色の悪い悠が丸まっていた。
悠の唇にそっと自分の唇を重ねる。
王子の口づけで姫が目覚めるなんて、どこの誰が決めたのだろう。
姫の口づけで、王子は目を覚ます。
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