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再会~二次創作弱虫ペダル巻島目線
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坂の上の病院にいると、国内の誰も知らない。
俺はイギリスにいて、兄貴の仕事を手伝ってることになってるからだ。
週に一度、イギリスの兄貴から、坂道の手紙が回送されてくる。
月一でいいっつったのに、兄貴のやつ、毎日くる坂道の手紙におそれなして、週毎の回送になったんショ。
坂道の手紙は細かい。
最初走れなくなったこと、手嶋が支えてくれたこと、青八木に直の後輩出来たこと、鏑木っていうのに、今泉や鳴子がイキリって呼んでること…
目の前で見てるみたいに細かく書かれてるから、リアルな総北風景が浮かんじまう。
坂道。
元気か。
ハイケイデンスで走ってるか。
病み果てた身体の奥で、俺の自転車魂が、走りたい、走りたいって哭いてる。
かつての死病にやられるなんザかっこわるいったらないが、大丈夫。
俺は若い。
きっと治る。
熱っぽい。
昨日から、熱が下がらない。
とっついてくれたのが多剤耐性菌ってのは、神様ちょっとあんまりっショ。
治らねーのかな。
巻島裕介このまま一巻の終わりか。
ざまぁねえ。
さいごにひとめ…
未練だ。
携帯が鳴る。
ハロー兄貴。
メールか。
何々。
坂道に、
俺の居所を!?
何で!!
黙っておまえが逝くに任せられなかった。
あんなにおまえを慕ってくれてる子を。
きっと今、
かれは、
おまえのところへ駆けているだろう。
坂の中腹、六合目、七合目、
今、
病室(へや)の扉が
奥ゆかしい音でノックされ、
大きな瞳に涙膨らませたおまえが…
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