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ユズリハ~二次創作弱虫ペダル手嶋
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青八木が美術イベントに行って、今日はひとりだ。
T2でなくても走れるようにならないとな。
平坦も、坂も、何も恐れたくない。
峰が山に続くなだらかな道で、合流してきたのは田所さんだった。
よう手嶋。
ちょっと走ろうや。
俺を引いて走り出す。
頼りがいのある背中。
肉弾列車しなくても、ぐいぐい引っぱられる。
空気引き裂いてる。
ハアハアしながらついて行った。
必死で。
ちょっと走ろう?
これが??
坂にかかる手前で、田所さんは振り向いて笑った。
走れるようになったな。
Uターンして去ってゆく。
もう今日は山やめて帰…ろうとしたら、田所さんと入れ違いに巻島さんが来た。
よッス手嶋。
俺とも走ろうや。
俺を引いて走り出す。
癖のあるあのダンシング。
離されそうになるのを必死でこれまたついて行く。
頂上の蜘蛛男。
緑きらめく。
あの駐車場まで引っ張ってこられるあいだ、否応なく考えさせられた。
ケイデンスも、バランスも、ダンシングも呼吸も、まだまだ磨かなきゃ。
俺は走りでしか語れないッショ。
いつも言ってたのはこれなんだと納得した。
下り、町場に出ようとしたとき、見慣れた三つめの影が俺に並んだ。
トレック。
金城さんだ。
かかってこい。
どれくらい伸びたかみてやる。
もうこのころには、先輩方の意図はすっかりわかって、俺は、ほとんど泣きながら、それでも懸命のアタックを繰り返していた。
全部跳ね返されたけど。
三年の、とある教室に、インハイゼッケン171、172、173だった男たちが集まった。
試したか?
ああ。
異存ねえ。
あいつでいくっきゃないッショ。
競技部が、来年目指して走り出す。
王者としての一年が始まる…
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