アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
悪鬼襲来-2
-
「とにかく葵琉先輩を病院へ!」
虎太郎に急かされた生指部長の車で学校から一番近い瀧川医院に運び込まれる頃には、目の痛みはだいぶ治まっていた。
そうなると生指部長の顔を見る余裕も出てきて、あのめっちゃ恐い生指部長が青ざめてるのが可笑しい。
多分頭の中に「減給」とかそんな感じの単語が色々浮かんでるんだろうな。
もうほとんど痛くないから多分大丈夫っぽいけど、3年間の恨み辛みがあるからもうちょっと心配して貰っとこうかな。
眼科で軽く見て貰った感じでは問題はなさそうだけど念のため精密検査をすると言われた。
診察室の前の廊下で待っていると、顔から出るもの全部出した桐島先輩が虎太郎に引かれてやって来た。
俺の前まで来ると、床にガバッと土下座して「申し訳ありませんでした!!」と大声を張り上げる。
ちょ、誰か見てたら俺が恥ずかしいんだけど。
病院って静かにしなきゃいけないとこなんじゃないの?
色々と心配になって慌てて周りを見回すと誰も居なくてホッとする。
でも、土下座って初めて見た!
誰の差し金だろ?
シロかな?
砂糖かじりながらニコーッと笑って「土下座して来な」とか言ったのかな。
それともまさかの虎太郎?
あの虎太郎が「土下座して謝ってください」とか言ってたりして?
あまりに長い時間頭を床に擦り付けたままだから、頭に血が昇らないのかなとか、床が涙と鼻水でベタベタになりそうとかまた色々心配になってくる。
まだ頭上げないの?
起きてる?
「八坂さんどうぞー」
俺が診察室に入って行ってからチラッと振り向いたらまだ桐島先輩は土下座の体勢のままだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 86