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キケンなお詣り-3
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コロコロと転がった小銭は大きなお賽銭箱の下へと消えていった。
「あーあ、やってもた。これじゃあ届かへんな」
他人事のように言うが、元はといえばこの男が原因なのに。
横に立っているのは大学生ぐらいだと思うけど、全く見覚えのない男の人。
喋り方は鶴岡先輩に似てるけど、鶴岡先輩よりだいぶイケメンだ。
喋り方だけじゃなくてチャラそうなところも鶴岡先輩そっくり。
「まぁええやん、お願い事したら。箱ん中入っとっても外に転がっとってもここの神さんにとっては変わらへんやろ」
妙な男の言いなりになるのは癪に障るけどお財布の中を見るとあるのは紙のお金だけだったからしぶしぶ目を瞑って手を合わせる。
シロといつまでも一緒に居られますように。
俺のお願い事はいつも5秒で終わるこれ。
チラッと横を見ると妙な男はまだ長々とお願い事をしているようなので、その隙にさっさと引き帰そうと階段を下りる。
何お願いしてるんだろ?
鶴岡先輩がよく写経用紙に書いてた『ダービーで三連単取りたい』とかかな?
「待ってやー」
背後から声が追い掛けて来るけど、待つ義理もないのでそのままスルー。
「もうー、置いてかんといてぇな。なぁキミ、沢井流学園やろ? んで、その紫のネクタイしとるんは沢井流コースやんな?」
本当はこの紫は虎太郎のネクタイで俺のは千鳥格子だけど、見知らぬ男相手にわざわざ説明するのも面倒だ。
あえて否定しないでいると男がズイッと1歩距離を詰めてきて、思わず同じだけ後ずさる。
「なぁ」
「?」
視線だけで返事をすると男はニヤニヤと笑みを浮かべながらまた1歩間合いを縮めて来た。
「沢井流コースの子ぉってやっぱいい身体しとるん?」
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