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シロさんの聞き耳頭巾-3
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「気持ちいいだろ~?」
「おじちゃん、それセクハラだから」
目を離すとすぐこれだ。
全くこの兄弟子は油断ならないんだからな。
セクハラになるようなところを赤の他人に触らせて、葵琉にももう少し警戒心というものを持たせた方がいいかもしれない。
「マッサージだよ、マッサージ」
「マッサージはそんなとこ触らないし」
「これがうちの店のサービスなんだよ。知らなかったのか」
そんなの知らないって葵琉は言い放つけど、長年世話になっている俺だって聞いたことないぞ、そんなサービス。
「なら腰揉んでよ。ここんとこ腰が痛くて」
「何だぁ? さては志朗のやつとニャンニャンし過ぎたな?」
ニャンニャンって……いつの時代の人ですか。
ああ、もう。
あの兄弟子は絶対ニヤニヤしてるんだろうな。
明日道場でここぞとばかりにからかって来るに違いないから頭が痛い。
「ニャンニャンって何?」
「何だぁ、お前ニャンニャンも知らないのか? 仕方ない、お兄さんが教えてやるよ」
「ちょ? 何やってるのおじちゃん!?」
ソファーがギシギシと軋む音が不安を掻き立てる。
本当に危険な目に遇わされてるんじゃないだろうな?
「何って、これがお前の知りたかったニャンニャンだよ、ニャンニャン! 志朗と毎晩やってるだろ?」
「やってないし!!」
「またまたぁ。ヤりたい盛りの青少年が何を言ってるんだね」
「おじちゃん何キャラ?」
とにかくそんなこと一切してないと突っぱねる葵琉の口調が少し寂しげに感じたのは俺の自惚れだろうか?
ニャンニャン……した方がいいのか?
いやいやいや、葵琉にはまだ早い。
少なくとも大学を卒業するまでは、いやせめて高校を卒業するまでは健全なお付き合いを守らないとな。
「志朗はいいなぁ」
思わず『おわぁっ!!』と叫びそうになって慌てて口を押さえた。
人には言えないような事を考えている時にいきなり自分の名前が呼ばれる事ほど心臓に悪いものはない。
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