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Childish?-1
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≪今日の運勢≫
総合運★★★★☆
見た目で得する事がありそう!
ラッキーカラーはピンク
朝いっつも見てから出掛けるテレビの星占い。
星4つだからそこそこ良い日になりそうだけど、見た目で得って何?
ーーーーーーーー
「ちょっと待ってて」
映画館の出口まであと少しというところでシロを置いて、ポップコーンやドリンクを売っている売店に駆け寄る。
「いらっしゃい」
ストライプのエプロンをしたおばちゃんにポップコーンの入れ物を見せて、そこに貼られていたシールを指差した。
「あの、これ」
『ドリンクをお買い上げ頂いた中学生以下のお客様にポップコーンサービス中』
ポップコーンのイラストが描かれたシールに目を向けたおばちゃんは怪訝な顔をした。
「俺、高校生なんだけどポップコーン、中学生までって知らずに受け取って、もう食べちゃって……」
ジュースをシロの分と2つ買ったら「サービスだよ」ってポップコーンを貰えたんだ。
貰えるのが中学生まで限定って書いてあるのに気付いたのは全部食べ終わってからだった。
「あの、いくらですか?」
お金を払おうと500円玉を取り出すと、おばちゃんは笑って首を振った。
「いいんだよ。おばちゃんが勘違いして渡しちゃっただけなんだから」
「でも……」
「その500円で、せっかくだからお友達とお茶でも飲んでいらっしゃいな」
おばちゃんの視線の先を辿ると、映画館の入り口に置いてきたはずのシロがいつの間にか背後に立っていた。
「あ、そうそう。こんなのあるんだけど、甘いものは好きじゃないかしら?」
映画館に隣接しているショッピングモールで使えるスイーツセット無料券までカウンター越しに握らせてくれて、なんていい人なんだろうと感激した。
「ありがとうございます!」
シロと揃って頭を下げると、おばちゃんは「礼儀正しくて感心だね~」と褒めてくれた。
「あ、ここだ~!」
「新しく出来たんだな」
おばちゃんがくらたチケットは、紅茶専門店のシュークリーム以外にも、和菓子やさんのたい焼きや、ワッフルのお店でも使えるようになっていた。
だけど、紅茶好きのシロが行きたいのはここだってわかってるから。
「本当にここでいいの?」
「いいよ。俺、シュークリーム好きだし」
メニューに載ってるバームクーヘンが美味しそうだけど、今日はせっかくだからシュークリームを頂こう。
バームクーヘンは今度来た時のお楽しみに取っておくんだ。
注文を済ませるとシロは早速ショーケースの茶葉を物色しに立っていった。
後ろ姿がもうソワソワしちゃって、よく犬が後ろ足で立って足踏みしているけどそんな感じ。
シロって時々俺より紅茶の方が大事なんじゃないかなって思う時がある。
いつかあっちが本命になってしまったらどうしよう。
紅茶って、その名のとおり澄んだ紅色をしていて、芳しい香りを持って、口に含むと深い味わいがいっぱいに広がる。
人間に例えたら成熟した大人って感じ。
それに比べたら俺は成熟とは程遠い、紅茶になりきれていない摘み立ての葉っぱ。
さっきも中学生と間違えられたし。
幼く見られるのにはもう慣れっこだけど、せめてシロにだけは大人っぽく見られたいんだけどな。
鏡を見ながら、ちょっとでも大人っぽく見える表情を研究していると、ドでかい包みと共にシロが帰ってきた。
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