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あれから。 梓磨蓮side
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陽向と向かい合って座る。こんなことになろうとはあの頃の俺は思ってない。
さっきの距離が近くなっただけで鼓動が高鳴ったのも、顔が熱くなるのもあの頃と一緒だ。
やっぱり、陽向が好きで好きで仕方ない…。
「陽向…昨日のこと…なんだけど…」
「逃がさないから。離れていくなんて許さない。」
すげぇ弱気な俺に比べて、陽向はまっすぐ俺を見て、全身で訴えてくる。
「なんで…なんで!突き放さないんだよ!訳わかんねぇ…なんで……好きなんて…言うんだよ…」
理由なんて分かんない、でも何故か溢れてくる涙が止まらなくて陽向が分からなくて、何を失ったのかも分からない。
「っ!」
溢れる涙を拭って拭ってそれでも止まらない涙を一瞬で止める。そんな魔法を使えるのは陽向だけで…
「なんで…抱きしめるの…」
「好き。好きだからだよ。蓮。ちゃんと聞いて…。俺は蓮が好きだ。気付くのが遅くなってごめんね。待たせて…ごめん。」
力一杯抱きしめて伝えてくれる。止まったはずの涙がまた溢れてくる。でもそれは悲しいとか無意味な涙じゃなくて…
ずっとずっと欲しかった…隣にいたかった。こんなに好きで仕方ないのは今までもこれからも陽向だけ…少しでも傍にいられるならそれは俺にとってどんなものより貴重なものだろう…
「陽向…俺…陽向の傍にいたい…お願い…」
「これだけ全身で伝えてるのにまだそんなこと言うの?傍にいたいじゃなくて傍に…?」
「…いる。」
「うん。傍にいて。離れないで。」
長い長い片思い…まさかこんな形で終わるなんて思っていなかった。失わなくて良かった想いを伝えて良かった…。
お願い。永遠に離さないで。
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