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「なら今日の夜、一緒に夕食を食べよう!」
そう言ってツバサはクリアの肩を掴んだ
人族に掴まれたことで、一瞬眉をしかめてしまったクリアだが、手をどけながら聞き返す
「…何故?」
「何でって、友達は同じ考えを持ったり、行動を共にしたり、いつも親しくつきあう奴を言うんやろ?なら、お互いの事を知って、行動を共にして、親しく付き合おう!そんで、友達になろう!」
目を輝かせて提案するツバサがよく分からない
断ったら普通はそこで諦めるんじゃないのか?
「何故そこまでして友達になろうとするんだ」
「友達になりたいって思ったからや」
「そんな理由で?」
「そんなって…友達なんてそんな感じでできるもんやろ」
そう言われクリアは過去を思い返してみる
「…分からない。友達を名乗るのは、大体打算的に近寄ってくるのが多かったから…」
「…お前の周り、貴族社会並みにドロドロしてたんか… 」
……何故コイツは、可哀想な人を見るような目で見ているんだろうか?
《ーーーーじゃないか!珍しいなぁ!》
《だから近い!さっさと離れろ》
「どうした?大丈夫か?」
気が付くと、頭を抑えてしゃがみこんでいた
…………何でしゃがみこんでるんだ?俺?
「平気だ…」
「保健室行った方がええんやないか?立てるか?肩貸すで?」
大丈夫だと言っているのに、オロオロしているツバサが面白くて、思わずクスリと笑った
「おぉ!?なんやその天使みたいな愛らしい笑顔は!?ずっと無表情やったから、表情筋死んどるのかと心配になったやないか!その顔の方がずっとええで!」
「…本当に変な人族だな」
「え?」
煩い奴だけど、不思議と好感が持てた
だからちょっとした気紛れだ
「夕飯の話だが、やっぱり一緒に食べていいか?」
「いよっしゃぁぁ!!」
そういえば家族と仲間はつくったことがあるが、友達はまだつくったことがなかった
友達なら…傍にいてくれるだろうか?化け物でも逃げないだろうか?
そんな事を考えていると、アカツキが大きな声でクリアに言った
「そうそう!そういえば、理事長がお前をお呼びだ。寮決めが終わったら理事長室に行けよー!!」
…………大声で言うか?普通
ただでさえ好奇心や嫉妬やらなんやらが籠った目線が向いていたというのに、今ので更に強まってしまった
「クリア…理事長と知り合いなんか?でも大声で言わんでええのに。更に目立ったなぁ」
「はぁ…」
非常にめんどくさい…
**********
-オマケ-
クリアの自己紹介……
「クリアだ。好きな事は読書で、今は ‘’世にも恐ろしい様々な呪い‘’ 、‘’身近に隠れた猛毒事典‘’ を読んでいる。嫌いなものは…裏切りだな。壊したくなる。以上だ」
《《何だ!?この恐怖を感じる自己紹介は!?》》
…と、クラス全員が思っていた事をクリアは知らない
悪目立ちしたのは、決してアカツキやクウリだけのせいでは無いのかもしれない…
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