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3話 寮決め
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ヒルフェ学園を卒業する生徒の多くはギルド員だが、兵士や神官等に就く生徒も多い
ヒルフェ学園の生徒は全員有望だ
なので国や貴族達から勧誘と共に多くの寄付金が贈られるそうだ
なので施設が豊富で、学園の外も中も豪華で広い
アカツキの後を付いて歩いて数分…漸く着いた広間は、1年生全員が集まってもまだ入れる程に広かった
そして広間の奥には、広間よりも豪華な重そうな扉がある
どうやら此処で寮決めとやらを行うらしい
「よう、アカツキ。そのスーツ似合ってるぜww」
「黙れ(泣)」
既に到着していた他のクラスと合流すると、一人の教師がニヤニヤとアカツキをからかった
だが、アカツキのホスト姿を馬鹿にするのはいいが、からかうそいつはまるで……
「ヤクザみたいな面しとるなぁ…」
そう見えたのは俺だけでは無かったらしい…
その教師は、白いスーツを着たアカツキとは反対に黒いスーツを着ており、人を殺しそうな鋭い目の下には、痛々しそうな傷跡があった…人のこと言えないな
思っていると、ふと周りの目とクスクスと笑う声に気づいた
「なんや、早速嫌がらせか?」
「嫌がらせじゃなくて、俺一人だけおんぶされてるから可笑しいんじゃないか?」
実は此処まで来るのに体力がもたなかったので、途中でツバサにおんぶしてもらっていた
この学園が広すぎるのが悪いんだ!
と心の中で言ってはみたが、体力がつきたのは悲しいことに俺のみ
ダンジョンに頻繁に行ってはいたが、移動も全部魔法を使っていた
だから自業自得なのだが…情けない
反省していると、ツバサが憤慨したように反論する
「んなわけあるかい!おんぶされとるかて、此処に来る途中で足首を捻ったかもしれんやないか!体力が無くて歩けなくなったって知っとるならまだしも、とっくに着いていたコイツらがそんなこと知るわけ無い。完全な嫌がらせや!」
「今の説明で、嫌がらせじゃなくなった!」
「あでっ!」
更にクスクスと笑われ、ぽかりと頭を叩く
今のは叩かれても文句は言えない筈だ
そもそも授業以外では魔法禁止とかふざけてる。魔法さえ使えれば歩かなくて済んだのに…!
悪いのは怠けた自分なのだが、理事長ふざけんなっ!と、心の中で理事長に八つ当たりするのだった
「これで全員集まったかな?じゃあ、これから寮決めを行います。皆、静かにしてくださいね」
魔法で拡声した教員の声に、煩かった広間がシンッと静まり返る
因みにクリアはまだツバサの背にいる
まだ足がガクガクして立てなかった為である…
「えぇ…寮決めを行う前に、この学園の歴史について語らせてもらいます。皆さん知っての通り、この学園は魔王を倒した後に、勇者とその仲間が創立しました。勇者、リヒト。神官、リーシュ。白騎士、ギルス。そして魔王の右腕だった魔人、ノイズです」
「なんぐっ!…げほぉ!!」
「どうしたんや!?」
思わず大声を出しそうになったのを寸前で止めた結果盛大に噎せた
集まる周囲の目線も気づかない程に、頭の中は混乱する
いやだって知らないし!勇者達とこの学園創った記憶無いぞ!?創ったのか!?本当に!?
人族大嫌いだったあの時の俺が!?仲間だった勇者達以外、人族=クズと心の底から思っていたあの時の俺が!?人族の子供の未来の為に協力した!?天地がひっくり返る程にあり得ない!
混乱していても教員の話は続く
「5人の勇者達は、それぞれが認めた資質を持つ生徒を選び、それぞれが創った寮に入寮させました。寮決めはその名残で、貴方達新入生の資質を見分け、一人一人に相応しい寮を決めていきます。では、ここで風紀委員長にバトンタッチさせてもらいますね。お願いします」
「はい」
教員に頷き壇上に上がったその風紀委員長は、目を細めて生徒達に笑いかけた
その光が溢れ出すような美しい笑顔に、この場にいた教師含めた全員が見惚れる
しかしただ1人、クリアだけは謎の寒気に震えていた
何故だ?あの笑顔を見てると背筋に震えが走る!?
再び風紀委員長を見たクリアは、慌てて背から降りる
目が合いそうになったのだ
しかし咄嗟に降りたのはいいが、ガクガクの足では上手く立てず、尻餅をついてしまう
……痛い…
なにやっとんねん…と呆れられながらもツバサが腕を借してくれたので、なんとか立てた
不可抗力で寄り添うカップルみたいになっているが、無視してほしい
「なぁ知っとるか?風紀委員長のお願いで、強姦がピタリと止まったんやて」
風紀委員長が話しているからか、ツバサが耳元に口を寄せて話した
ツバサと同じように耳元に口を寄せる
「たかがお願いで止まるものではないだろう」
「ほんまやって!お願いであの親衛隊が止まる程に崇拝されとるって事や!」
“あの”と強調して言われても、親衛隊の凄さが分からないのでよく分からない
しかし、関わりたくないとは思った
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