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パンッ!パンッ、パンッ、パンッ!!!
「「「「「ようこそ、闇寮へ〜〜!!!」」」」」
バタンッ!と扉が閉まると同時に、鳴り響くクラッカー
大勢の生徒から歓迎を受けた俺は、紙吹雪を大量に被ったまま、ただ茫然と立っていた
正直に言うと、銃で撃たれたのかと思った……
「固まってるぜ!可愛い〜」
「よろしくぅ!!」
「どんな魔法が得意なんだ?」
揉みくちゃにされながらもなんとか進むと、奥から何かがポヨポヨと此方へやって来るのが見えた
俺は自分の目を疑った
あのプルプル、プヨプヨした青いフォルムは…………もしかして!
「僕は寮長のスラリン!ヨロシクね」
「…………」
まさかの寮長がスライム……突っ込むところが多すぎて、何から突っ込めばいいのか分からない…!
「あ!僕、悪いスライムじゃないよ!」
……そりゃあ、学園の寮長を務めている魔物が悪かったら駄目だろ
とにかく、一番重要なことを聞こう
そっと両腕を広げて聞いた
「抱き締めてもいいか?」
「………………え………?」
スライム程抱き心地のいい生き物はいないと思う
ツルツルでプニプニでポヨポヨで、夏にはヒンヤリと冷たく、冬はホンワカと温かく…病みつきになってしまう
「驚いたよ~。今まで逢った人族は、逃げるか、武器を構えるかのどっちかなんだもん!」
俺の腕に抱き抱えられたまま案内していたスラリンが、楽しそうに言った
他の生徒は、また来るであろう新入生の出迎えの為に新しいクラッカーを持って待機中だ
どうやら一人一人に、さっきの出迎えをやっているようだった
「人族はプライドが高いくせに臆病だからな。こんな攻撃力の低い癒しの塊のような生き物を討伐するとか…理解不能だ」
スライムは憐れんでしまうほどに力が無い
食事だって、雑食だけど肉を食べたところなんて見たことがない
それなのに、魔物だからという下らない理由で殺されてしまう……俺の癒しを殺すなんて、本当に不愉快な奴等だ
「ハァ…癒される…」
「………」
頬擦りされながらスラリンは思った
なんかこの生徒と話してると、魔族と話している気分になるなぁ…
**********
部屋の中は思っていたよりも立派だった
使いやすそうなアイランドキッチン
10人はのんびりと寛げるであろうリビング
ジャグジー付きの風呂場………これで1人部屋なんて、金かけすぎだ…
「あ、クリア君は自炊できる?一階にあるお店で材料や道具は買えるからね」
そう教えてくれたが、自炊なんてしたことないから行かないな…
そう思っていると、そういえば!と、スラリンが付け足した
「そのお店ね。僕の弟達が経営してるんだ!」
「そうか。毎日行く」
明日から料理に挑戦しよう
何事もチャレンジは大切だ
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