アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
(3)
-
「なんで俺なんだっ!俺が学園を元通りにできるわけがない!そもそも、俺を脅してまで入れた理由にならないっ!!本当の事を言え!!」
「………はぁ……どうしても君を手元に置いて起きたかったんだ」
観念したように言うと、理事長は手を離し、どさりとソファに座り込む
「カードを出して見てみなさい。ギルドカードの記載された能力値のバランスはかなり不安定だ」
--レベル1----------------
・名前 クリア (人族)
体力:C 魔力:EX 技能:SS 力:C 幸運:B
スキル:
『視る力』
条件=破壊神の子
利点=あらゆるものを視ることができる
その他:破壊神の愛し子、精霊王の加護
----------------------
「なんか目を疑うのもあるけど、それは今はいい。クリア君の魔力は測定不能のEX。なのに体力や力が最低ランクより1つ上のCときた。いいかい?魔力は命の源であると同時に脅威でもあるんだ。魔力を使いすぎれば生命を維持できずに死に、逆に大きすぎると器である体が壊れて死ぬ…クリア君は後者だ!問題無い状態の内に、少しでも体を鍛えないといずれ-「もういい。表向きの理由は良く分かった」
これ以上聞く気がなかったので、理事長の言葉を遮る
魔力が大きすぎて死ぬ?そんなの説明されなくとも知っている…が、それがどうした?関係ないだろう
じろっと理事長を睨みつける
力が大き過ぎる者に対して、周りがとる行動は2つ
化け物と恐れ排除しようとするか、道具として利用しようとするかのどちらかだ
「それで、どうして騒ぎに乗じて生徒会に入れようとしている?」
「お見通しというわけだね…。生徒会は俺が目を掛けても怪しまれないんだ。俺を除いたら学園のトップだからね。クリア君の魔力はコントロールができているとはいえかなり危険だ。だからこそ目を離したくないし、誰かが何かを企んで下手に近づいてきてもすぐに対応できるように見張りたい。それに、生徒会長は俺の息子だから、安心して預けられる」
「成る程」
「あ!でもね!学園に通うことはメリットになるよ!卒業生だとDランクから始められるし、沢山の依頼がくるし!」
なんで突然焦りだしたか分からないが、今のところ何かする気があるわけではなく、通っていた方がメリットが高いことは良く分かった
仕方ない、四年間通うか…
「分かった。だが生徒会を元通りにはできない」
念をおすと、いいよいいよ…と、先程の必死さは何だったのか、なんでもなさそうに言った
「それね、生徒会に入れる為の口実だから。崩壊したらその時は私がなんとかするさ。此処、私の学園だからね」
ならいいや…話が終わったので、立ち上がる
そろそろツバサとの約束の時間だ…急がないと…
「あ!すいません!」
出る時に眼鏡をかけた人とぶつかりそうになり、その人が慌てて謝った
「俺も注意不足だった。すまない」
「い、いえ…」
この時彼に少し違和感を感じたが、この時の俺は気のせいだと思い、先を急いだ
**********
-理事長side-
「あの生徒、大丈夫ですかね…止めた方が良かったんじゃ…」
先程クリア君とぶつかりそうになっていた秘書の言葉に、疲れたように首をふる
ギルドから情報が届き初めてクリア君に逢った時、無表情で此方を見る黒い瞳に正直ゾッとした
だが同時に興味を抱いた
この子がこれからどのように成長し、ギルド員の一員になっていくのかを…
しかしかなり警戒心が強い
確実に私の事を信用していないだろう
「さて、どうすればいいのだろうか?」
「そんな事も分からないんですか?普通は分かりますよね?」
その言葉に少し驚く
「え、分かるの?」
「勿論、追いかけるに決まっているでしょう!驚きすぎて見送ってしまった私も私ですが、何故あの格好のまま帰してしまわれたんですか?」
…………………………ん??
ここで違和感に気づき首を傾げる
もしかして、話が噛み合ってない?
「何を言ってるんだい?」
「貴方こそ何を言ってるんですか!?さっきの生徒の格好!放課後以降は私服で良いとなっていても、あれは露出度がヤバイでしょう!!」
露出……?
クリア君の格好を頭に浮かべる……が、そこまで大騒ぎするほどではなかったと思う
「あの子達よりも少なくないだろう」
「あの子達って、ギルド員のビッチ剣士(女)達のことを言ってますよね!?あれを基準にしないで下さい!あれはもう裸です!」
そんなにヤバかった???
秘書にこっぴどく怒られたが、納得できてないのでイマイチ反省できず、ただただ首を傾げたのだった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 41