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マオ達とは昼食、食堂で一緒に食べる約束をした後授業が始まった
少し楽しみだったりする
1年の授業は8こ
古代語、数学、社会、理科、魔法学、音楽、図工、体育だ
他にも特別授業が入るみたいだが、それは今は省いておく
一時間目は古代語で、サンタクロースに似た小太りのおじいちゃんが先生だった
黒いローブを着ていたが、絶対に似合うから赤い服を着て欲しい
ホッ、ホッ…と笑いそうだなぁ~と思っていたら、まさかのフォッ、フォッ…だった
ちょっとそこは残念だったが、一日目で早速サンタ先生とあだ名が付いた
二時間目は数学で、サングラスをかけた真っ白の兎が先生だった
教室にピョンピョンと入ってきた時は兎!?!?と、全員が驚いた
兎先生の話によると、どうやら3年前、付き合っていた彼女にサプライズプロポーズを仕掛けようとして、変身魔法で兎に変身したらそのまま戻れなくなってしまったらしい
ある意味サプライズだ!
因みに、「兎の姿のままでも貴方は貴方よ!寧ろ愛らしくてもっと好きになったわ!結婚して!!」…と戻れなくなって途方にくれていた兎先生に、彼女が逆プロポーズ
今は結婚式も無事に挙げてラブラブ夫婦なのだとか…
花嫁とタキシード姿の兎が並んだ姿を想像したのか、ツバサがブフォッと吹き出し、それに怒った兎先生が、兎キックを顔面にくらわした
「ぐっはぁぁぁぁ!?!?」
ガッターン!!!! ゴツンッッ!!!
……うん、見事なジャンプだったとだけ言っておこう
ツバサはすぐさま保健室に運ばれ、一人欠けたまま受けた三時間目の理科は、主に薬草と調合だった
気弱そうな眼鏡をかけた先生が、薬草と毒草の見分けかたを話していたが、既に本を読んで知っている
寝不足だったこともあり、うとうとしながら授業を受けた
四時間目の授業は歴史
受ける気も無かったので、机に突っ伏して寝た
後からクラスメートから聞いたが、先生にかなり睨まれていたらしい
そしてお昼
漸く戻ってきたツバサを見て俺を含めた全員がおでこを指差して爆笑した
おでこに可愛らしい兎の足跡がくっきりと残っていたからだ
「笑うなっ!!」
顔を真っ赤にしたツバサは、おでこを隠してしゃがみこむ
「こんなんじゃ…恥ずかしくて食堂に行かれへん……」
シクシクと泣くツバサ
流石に可哀想に思ったのだろう。トンッと誰かに肩を押された
周りを見ると、訴えるような目で俺を見ている
何故俺に慰めろと?正直ぶっちゃけると、俺の慰めは心を抉る…とノイズの時、周りからよく言われていた
魔王にも俺が良いという時だけ慰めろ。と言われていたのだ
しかし仕方がないので、そっと肩に手を置く
「……そう悲観するな。…ツバサ君は顔がかなりカッコいいから…皆好感を持てると思うよ?」
「どういう意味?」
考え考え言った言葉に、ツバサは泣くのをやめて涙目で見上げる
お、この調子でいけばなんとかなりそうだ
そう確信した俺は優しく微笑んで全力で励ます
「顔ってさ、良すぎるときっかけが無い限り近寄りづらいだろ?でも今は足跡が付いてて無様で面白いから、逆に親しみが湧いて近寄りやすい!」
クリアに悪気はない
それが一生懸命に考えながら言う姿からよく分かるからこそ、ツバサは更に落ち込み、クラスメート達は顔を引き攣らせた
「クリア……」
「ん?」
まるで天使のような可愛らしい笑顔のまま首を傾げるクリアを見て全員が思った……この子、天使の皮を被った悪魔だ!!
**********
「んぎゃはははははっww !!なんだその顔は!?ギャグか!?」
「……っ!っ!!」
待ち合わせ場所
無理矢理連れてこられたツバサを見て、マオは爆笑した
クウリは笑いすぎて声も出ない程だ
「…………///// 」
「早く行くよ。大丈夫、一瞬で終わるから」
「やっぱり悪魔やっ!!」
優しく言い聞かせながらも容赦なく食堂の扉まで連行するクリアに、ツバサは半泣きのまま歩を進めたのだった
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