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「ん‥」
「あ、ごめん起こした?」
「‥稔さん」
「うん、寝よう」
ベッドの中。
ヒヤッとした空気に薄れていた意識が戻ってきた。
けれどすぐに暖かい体温に包まれる。
「‥稔さんあったかい」
「風呂入ったからね」
「いい‥匂い‥」
「‥同じの使ったはずなんだけどね」
ゆっくり息を吸い込んでから稔さんの体に擦り寄り枕を明け渡す。
稔さんは一瞬に寝る時、自分が枕を使う代わりに必ず俺に腕枕をしてくれる。枕が2つあればいいだけなんだけど‥
「稔さん‥」
「ん?」
「風邪‥引かないでくださいね」
「馬鹿じゃないけど風邪は引かないよ」
「‥引いていいけど俺から移るのが勘弁なだけです」
「っとにクソガキだな」
「っ‥んっ」
頭の下にある腕に引き寄せられて唇を奪われる。
暖かい熱が唇を伝って混ざり合うような繋がり。
優しく触れる唇はわざとらしい音を立てて離れていった。
「おやすみ、永久」
「‥おやすみなさい」
唇だけでは飽きたらず額にも唇を当ててから俺を抱き締めて目蓋を閉じた。
翌日。
俺が心配なんかしなくても稔さんは風邪を引かなかったし俺の風邪は大分良くなってた。
稔さんは「俺の愛の力が風邪なんかに負ける訳がない」とか言ってたけどやっぱり稔さんは馬鹿なんだと思う。
馬鹿だから風邪引かなかっただけだし、俺が良くなったのは点滴のお陰。
ただ
最近毎日見ていた悲しい夢をこの日見なかったのは稔さんのお陰なら感謝してやらない事もないかな‥なんて。
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