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ガチャガチャ
バタン
パチッ
「‥電気も点けないで何してんの」
「‥」
帰って来てから今まで数時間。ベッドに背中を預けて座ったまま動いてない。
考えてた、どう話すべきか。
これからどう生きていくのか‥
「制服のまんまじゃん。
‥ご飯食べた?まだ病み上がりなんだから無理するな」
「‥」
上着を脱いで俺の前にあぐらをかき座った稔さんは外の匂いがする。
俺の匂いでもなく稔さんの匂いでもない‥この匂いは好きじゃない。
「‥驚いた。」
「‥?」
テーブルに片方の肘を突いて頬杖をする稔さんと視線が交わった。
「学校では絶対に名前で呼ばなかったから」
「‥ごめん」
何で名前で呼んだかなんて分からない。
まだ俺の稔さんだと思いたかったから?
違う、違うよ。
稔さんは今まで一度だって俺の物になった訳じゃない。
「別にいいよ」
「‥誰も居なかったから。大丈夫だと思う」
「いい。
聞かれてたっていいし、みんなの前で稔さんって呼んでくれたっていいんだ」
「‥無茶言うなよ」
力なくハハと笑う俺は、もう稔さんと視線を交じり合わせる事は出来ない。
今、稔さんの匂いがしなくてよかった。
きっと決心が崩れ落ちてしまっていた。
何もかもが揺らがないうちに、早く言って‥終わらせないといけない。
「もう‥稔さんって呼ばないから、安心して?」
「‥永久?」
「稔さんは俺の先生に戻って、俺は先生の生徒に戻る」
「‥」
「今日で終わりにしよう」
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