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「って壱が言ってた」
「‥へえ」
ファミレスでのご飯の後、その辺をぶらぶらしてから夕方に帰宅。携帯を見たら稔さんから今日はそっちに泊まるとメールが来ていてびっくりした。
今までは連絡も無く勝手に来ては勝手に泊まって行ったから報告されても正直、何て返事をしらいいか分からない。
「だからあんま‥厳しくし過ぎないであげてよ。桃とクラス離れて寂しいんだと思うから」
「へえ‥」
「‥?」
素っ気ないような返事に料理を作る手を止めて後ろを振り向くと、新学期初日だから着ていたスーツのネクタイをシュルシュルと緩めていた。
「ん?」
「‥聞いてた?」
「聞いてたよ?
だけど俺も一応教師だからなあ‥注意すべき事はしないと」
「教師、ねえ‥ふっ」
手元に視線を戻して聞こえない程度に呟く。
みなまで言いはしないけど、つい鼻で笑いたくなるよね。一応教師とか、自分で言っちゃう辺り。
「中村君?」
「‥何でしょう袴田先生、ご飯ならもう少し待って下さい」
近付いて来る気配に嫌な予感しかしない
「ご飯の前に中村君に個別授業してあげてもいいんだけど?」
「勘弁してくださいよ。これでも一応学年トップですよ?」
「そんな優秀で学年トップの中村君には生徒会に入ってほしいと先生方が言ってたよ」
「興味無いんで。」
「言うと思った。俺は伝えたぞ?」
「?」
俺の背後に立つ稔さんを仰ぎ見る
「言ったろ?一応教師なんだ。一年の時担任だったから話してみてって言われたの」
「‥あそ」
「氷室と離れて寂しい?」
「‥んー‥クラスでの行動は別になるから‥多少?」
うるさい奴だけど何だかんだ一年間連んでた訳で‥桃も残念そうにしてた。
「じゃあ俺が担任じゃなくて寂しい?」
俺のお腹に手を回して後ろから顔を覗き込むように首を傾ける稔さん。
「全然」
「ははっ、即答?冷たいね」
大したダメージでも無いような声で笑ってるくせに、お腹に回った稔さんの手の動きが怪しい。
「氷室には優しいのに、俺にはそんな態度?」
「っちょ、火危ないから離っ、稔さんっ」
首筋を軽く舐める稔さんを肘でぐりぐり押して離れるように促すも火を消されてしまいグルッと向きを変えられてしまった俺は稔さんと向き合う。
「‥ご飯‥」
「先に永久を食べてもいいかなーって」
「俺明日も学校なんで自重して下さい」
「永久がメール返さないからだろ?」
「‥急にメールなんか送るからでしょ。いつもは勝手に来るのに」
「‥やべ、拗ねた感じいいわ。ツンデレ?」
「‥」
「無言の圧力?」
「もう!いいから座って待ってろよっ!もうちょっと何だから邪魔するなっ!」
「ふっ、ハイハイ」
「ハイハイじゃねーしっ」
自分が一歩譲りますよみたいな言い方、俺がガキとかじゃないからな!
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