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たくさん‥沢山
貰った。
目に見える物も
見えない物も、沢山。
だからこれからは‥俺も稔さんに何かしてあげたいんだ
俺がしてもらったように稔さんが辛い時は隣に居て支えてあげたい
俺はきっと欲張りなんだ
俺の事になると必死に色んな物に手を伸ばす彼が‥好きで好きでたまらない
それだけなのに、そこから生まれる数え切れない程の欲すらも心地良く愛おしい
だって稔さんへの想いから生まれた全ての感情は‥俺が稔さんの事を好きだって証のようなモノだから
「ね、稔さん」
「ん?」
「いつか‥一緒に旅行、行ってくれる?」
「もちろん」
ふわりと微笑む顔に幸せと安心感が広がる
「場所はね、もう決まってるんだ‥」
「知ってるよ。でもそこだけじゃなくて色んな所に行こう?2人で‥一緒に。」
「‥ん、ありがとう」
自然と重なる唇にたっぷりと気持ちを込めて、目を閉じる。
稔さんの高校時代の先輩と再会して
俺が桃と壱に稔さんを彼氏として紹介して
父さんと母さんが行けなかった綺麗な景色を2人で見る
それから
稔さんに愛してるって伝えて
俺は大学に合格して、思い出の詰まったボロいアパートを引き払う
稔さんの手を握ってふわりと体を包む暖かい春の風の中、2人で桜を見上げるのはこれからもう少し‥もう少しだけ後の話。
end
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