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「永久っ」
「!」
「さっきから呼んでたんだけど、ごめん驚かせて‥」
「いや‥」
急に現実に引き戻されたようで意識が付いていかない。
目の前には俺を覗き込む桃と壱
緋崎桃太は中学からの、氷室壱は高校からの友人だ。
2人共良い奴だと思う。俺なんかと違って明るくて優しい。
「永久‥今日顔色悪いよ?平気?」
「‥大丈夫」
今日はやけに頭がぼーっとする。
あんな夢見たから‥思い出してしまうんだ。
「ホント?」
「‥寝不足なだけ」
あれから結局眠りにつく事が出来ずに朝を迎えた。正直今すぐ寝たい。
「寝不足?勉強でもしてたの?」
「いや‥どっかのお気楽天パが桃にナンパした夢見て‥悪夢だったわ」
大袈裟に溜め息を吐いて目頭を押さえる。
「お気楽天パ?」
「金髪垂れ目のアホだったかな?」
「ちょ、オレかよっ!もうそのネタ引っ張らないって約束したのにっ!永久酷いっ酷い永久!」
「約束なんかしてねぇ」
「オレだってナンパなんかしてないもんっ!」
「君可愛いね、オレと遊ぼう?誰が聞いてもチャラ男のナンパだ」
「っ、だって!
だってしょうがないじゃん!桃可愛かったんだもん!一緒に遊びたかったんだもんっ」
「わーったからデッカい声出すな頭に響く」
「‥ごめん」
喜怒哀楽の激しいコイツは入学式の日に『君可愛いね、オレと遊ぼう?』そう言って俺と桃の前に立ちはだかりニコニコ顔で桃にナンパした。
それがコイツとの出会い。
あの日から毎日ニコニコ顔で話し掛けてくるからすぐに友人という枠組みに入ったけど、悪く言えば入学式から続く悪質なナンパストーカー野郎だ。
「保健室行って寝ちゃえば?」
「え?ああ‥平気だよ。それより次の英語、壱のスピーチだったろ」
「やっべ!忘れてた!とっ永久!へるぷみーっ」
「断る」
「いやっ助けて永久!とーわーっ!愛してるからぁー」
「うぜぇ」
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