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夢
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露朱は夢を見ていた。
幼い子どもが道端にうずくまっている。それは小さな自分の記憶だった。
露朱には両親に関する記憶が一切ない。
気づいたときには路上で男に組み敷かれる生活を送っていた。
露朱はこの男たちが嫌いではなかった。
痛いことはされなかったし、行為の後はご飯を食べさせてくれたりお金をくれたりしたからだ。
露朱が白椿へやってきたのは7歳の時だった。
いつものように路上で犯されていたところを、白椿の専属医に発見されて保護された。
白椿へ来てからも、露朱の生活はほとんど変わりなかった。
でも毎日ご飯が食べられて、暖かい布団で眠ることができたのは嬉しかったように思う。
次に現れたのは10歳の露朱だった。
客に初めて暴力を振るわれた時の夢を見た。
いつものように客の相手をしていると、突然頬を張られた。
とても痛くて、なぜ叩かれたのか分からなくて、悲しかった。
泣いている自分を見て、男はとても嬉しそうだった。嬉しそうに、こう言ったのだ。
「お前はきれいなだけが取り柄なんだから。この仕事しかできないんだよ。だから客の言うことは、絶対に聞かなきゃいけないよ」
その男はその後どうなったのだったか。確か出入り禁止になったのか、よく思い出せない。
けれどこの男の、言葉だけが。
今でも足に絡み付いて、露朱を動けなくさせていた。
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