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再会
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露朱は時計台の下で不安そうに筑紫を待っていた。
もう何度も外出しているので、一人で外にいることが不安なわけではない。
先日、露朱は筑紫に手紙を出した。内容は初めて出した手紙とほとんど同じだ。
しかし露朱は筑紫がちゃんと来てくれるか、不安に思っていた。
「露朱ー!」
人混みの中から聞きなれた自分を呼ぶ声がする。
声のした方を見ると、手を振りながら筑紫が走ってきた。
「待たせちゃってごめんね」
「ううん。久しぶり」
筑紫に会うのは露朱が大ケガをした後、一度だけ会って以来だ。
「久しぶり。体調はどう?」
「もうほとんど治りかけてるよ。まだ長時間の外出はだめって言われてるけど」
「そっか……よかった。本当に」
筑紫は心底安心したように言った。
露朱も筑紫が来てくれたことに安堵してほっと息を吐く。
「食事はもう普通に取れる?」
「うん」
「じゃあどこかお店行こうか」
久しぶりに会えたのがよっぽど嬉しいのか、筑紫はずっとにこにこしている。
その様子を見て露朱も思わず笑みをこぼした。
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