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target4-22.役割分担
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「颯都!これ…!」
雪斗が焦った様子で風紀委員室のドアを開け放ち、椅子に座る颯都に足早に駆け寄ると、ある新聞記事を見せる。
それは――"驚愕!鬼の風紀委員長を巡る四角関係"という見出しの記事。
そしてそこには、生徒会の面々が写った写真と、生徒会が食堂で大音量で話していた内容について。
颯都はそれを見て、深い溜め息を吐いた。
―――――――…
―――
―――――……
午前中の授業、琉生はいつものヘラヘラとした笑顔で教壇に立っていた。
「喜べー。今日は授業じゃねぇぞ。体育祭の役割分担を決定する」
「えー!?」
「やったー!」
「めんどい…」
など、様々な声が飛び交う中、進行役がクラス委員に代わる。
「えー、それでは体育祭での種目ごとの選別を行いたいと思います。まず、希望の種目を一人ずつ黒板に書いていってください」
言われた通り、全員がゾロゾロと黒板に向かって動き出す。
その大体の者が友達と相談した上で、どれにするかを決めているようだった。
少しずつ空いて来た頃、颯都は100メートル走と掛かれた横に名前を記入した。
何故かおぉー、という歓声が上がったが、気にせずに席に戻る。
「ん~…まだ1000メートル走リレーの希望者が誰もいないなぁ…五十嵐、どうだ?」
急に話を振られた颯都は眉を寄せる。
「は?…何で俺なんですか」
「お前、スポーツ万能だろ~?固いこと言うなよ~」
「…別に良いけど」
「おっ。じゃあ一人目は五十嵐で決定な!」
にこやかに笑って黒板に名前を書き込む。
「琉生。俺も出る」
「お、二階堂もか。了解~」
「じゃあ、僕も!」
「俺も俺も!」
「俺も出るぜー!」
「おお、一気に集まったな~。じゃあこのメンバーで決定!」
琉生が黒板に名前を書き足すと、それから次々に立候補者が名乗り出る。
あっという間に枠は埋まり、順番を話し合いで決めた結果。
佐々木→永井→愛川→五十嵐→二階堂というリレー順に決まった。
颯都は璃空にバトンを渡すというのを嫌がったが、何故か他の者も賛同し、この順に決まってしまった。
璃空は心の中で笑う。
「(…裏で手を回した甲斐があったな)」
「よーし、次は騎馬戦のチーム決めるぞ~」
琉生のやる気のない声で騎馬戦のチーム決めが始まった。
1クラスごとに四人一組で三つの騎馬を作り、上に上がって鉢巻きを取る役割がそれぞれ三人。
なかなか決まらないかと思われたが、これも意外にあっさり決まった。
「璃空様!僕たちが下になります!(…会長の手足となりたい…)」
「しっかり支えますんで!(…寧ろ僕となりたい…)」
「フン、倒れたりしたら承知しないからな」
「はい~!」
その一方、颯都にも同じような事が起きていた。
「は…颯都くん!良かったら……僕らの上に乗って!」
「は?…別に良いけど。お前ら其れで良いのかよ」
「全っ然!(寧ろ、君の美脚に挟まれたい…)」
「俺らに任せとけ!(…委員長の臣足を持ちたい…)」
「しっかりサポートするからさ!(…その脚に踏まれたい…)」
「あぁ、宜しく」
思惑に気付かずに颯都は頷く。
そうして、体育祭の役割分担は決定した。
(益々面白い事になりそうだ)
(面倒な事が起きなきゃ良いが)
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