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target4-23.噂の的
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「委員長を巡る四角関係だってさぁ!」
…有り得ねぇ。
「あの風紀委員長を取り合うなんて、すげーよな!」
…有り得ねぇ。
風紀委員の仕事は毎日している。
平穏無事な生活を送る為、徹底的に校内の風紀を正しているのに。
…原因を考えると質が悪い。
生徒会。この一言に尽きる。
生徒を取り仕切る立場なのに、何故ああも騒ぎばかりを起こすのか。
今では生徒会と聞くだけで頭が痛くなる。
様々な意味で拒否反応を起こしているのだろう。
個人的には生徒会の誰とも関わりたくない。
しかし、立場上どうしても関わりが出来てしまう上に、妙な噂まで流され苛立ちは募るばかり。
颯都自身は噂話に踊らされはしないが、それで校内がどうも浮ついている様子だから困るのだ。
彼奴らを大人しくさせるにはどうするべきか。
考えを巡らせながら廊下を歩く。
「颯都」
今し方関わりたくないと思っていた者の気配を後方に感じ、そのまま何事も無かったように通り過ぎようとした。
「待て」
肩を掴まれ、振り払うと手首を掴まれて向かされる。
「行くぞ」
口許を吊り上げる璃空と目が合う。
「ふざけんな。お前一人で……っ!」
颯都が思い切り睨み付け、手を振り解こうとする前に璃空の指が絡んで来て、全身に鳥肌が立つ。
周りに居た生徒が歓声や悲鳴を上げる手前、璃空が強引に手を引っ張って歩き出す。
引っ張られる形で歩いていた颯都は我に帰ると、絡み合った指を解こうとする。
しかし思いの外、しっかりと繋がっていて解けない。
「離せ……!!」
「嫌だと言ったら?」
「お前の手首ごと切る」
「くくく…っ、物騒だな?」
「笑ってんじゃねぇ。マジで切るぞ」
「刀が無いのにか?面白い、やってみろ」
挑発され、沸々と怒りの募った感情の儘能力を使おうと意識を集中させるが、此処は廊下。
余りにも、注目を集め過ぎるかと思い直す。
それに…。
なるべくは、特殊能力が使える事もバレたくない。
純血種ではないという言い切りで通しているのだから、怪しまれるような事態は避けたい。
それでも、感情の起伏に合わせて能力を引き出してしまう癖が付いている。
己の力を高めようと戦闘ばかりに身を投じていた所為か。
しかし、今は二人になった方が都合が良い。
この際はっきり言ってしまえば良いのだ。
それでも無駄なようなら、強行突破する。
そして、この気味の悪い関係を終わらせよう、と颯都は後半抵抗するのを止め、大人しく手を引かれていった。
構わず廊下を突き進んで行った璃空は片手でカードキーを開け、颯都の背中を押して部屋に入れドアを閉めた。
オートロックで鍵が掛かる。
振り返ると直ぐに壁に手足を押さえ付けられ、顔を埋められた首筋に熱い吐息が掛かった。
ぬめり、と生温い舌が這う。
「止、めろ…!」
強く抵抗をするが、力の関係上抜けられない。
鋭い牙が、肌に食い込んだ。
「っは、ぁ…!」
能力を使うつもりで力を振り絞るも、集中が定まらない。
神経を鈍らせる快感が増してくる。
「ん、あっ…く、」
少しでも快感を逃がそうと身を捩るも、牙を深くまで刺し込まれる上に、下半身を膝で刺激してくる。
颯都には成す術無い状況、声が出ないよう強く唇を噛み締めた。
(駄目だ。惑わされるな)
(冷静になれ。考えろ…)
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