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target5-9.我慢の限界
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身体の汚れを洗い流す。
しかし、擦っても擦っても取れない赤い痣のようなものが、颯都を苛立たせていた。
「…意味解んねぇ」
風紀委員長である自分への当て付けなのだろうか。
兎に角腹が立つ。
考え事をしたままでいると、擦り過ぎて更に赤い擦り傷が出来ていた。
「…は」
取れる訳ねぇか。
薄い笑いと共に、壁に凭れ掛かるようにして腕をつき、溜め息を溢した。
―――――――…
―――
―――――……
部屋着に着替え、廊下に出た。
「…雪。んな暗い所に立ってないで、部屋に戻ったらどうだ?」
電気も付けずに立ち尽くしている雪斗に声を掛け、髪を拭きながら部屋に入ろうとする。
颯都が背を向けた時、肩を掴んでドアに押し付けた。
「…電話、何度もしたのに」
「…悪かった」
「誰と一緒にいたの?…会長?」
「…関係無いだろ」
雪斗が首筋に顔を寄せてきて、その肩を押し返そうともがく。
「…噛まれた?」
まだ塞がっていない痕をなぞって、少し低い声色で囁く。
「、離れろ…!」
抵抗を強くする颯都の手を絡め取り、雪斗はある事に気付く。
「腕も怪我してる…」
傷口を見て、そこを丁寧に舐め始めた。
「おい…!」
「痛い?」
「ほっといても明日には治る」
何とか止めさせようとするも、雪斗は顔を上げてにっこりと微笑んだ。
「俺、ほっとけないから」
抵抗を封じ、腕の傷を見せつけるようにして舐める。
「……っ」
戸惑いと気恥ずかしさで、目を逸らした。
皮膚を舐める雪斗はある事を思う。
「颯都、いい匂いがする」
「…風呂上がりだからだろ」
「いや、そうじゃないよ」
そんな薄っぺらな匂いじゃない。
身体の奥、皮膚の下に流れる…颯都の血の匂い。
吸血鬼だったら、その匂いに魅了されずにはいられない。
「(俺は、それだけじゃないけど)」
ふと顔を上げると、僅かに眉を寄せて雪斗を見る灰青の瞳と目が合う。
それだけで欲求が膨れ上がる。
触れたい。
もっと…もっと颯都を知りたい。
俺の知らない所…全部。
だってずっと、我慢してたんだ。
高まる鼓動のまま、唇を奪った。
驚きで強さを増した抵抗に押し負けないよう、雪斗はピンポイントで抑え続ける。
力でいけば颯都が上。
だけど、弱い場所を抑えれば封じ込める事くらいは出来る。
「(…こんな所で習った武術が役に立つなんてな)」
少しの優越感を覚えながら、夢中で唇を貪った。
舌を絡め、口内を蹂躙する。
「…んっ、は」
颯都が漏らす吐息にも無性に煽られる。
どうにか抜け出そうと身体を捩ったりしてもがいている事にも、可愛ささえ感じた。
そうだ、思いついて雪斗は一瞬唇を離す。
「あんまり暴れたりしたら…もっと激しくするから」
「…はぁ……っ!?」
反論しようとする颯都の唇をまた塞ぎ、壁に身体を押し付けた。
(だって、この気持ちはもう抑えようがないから)
(もう、抑えたりしない)
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