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target5-15.次から次へと
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屋上のドアから出て階段を下り、廊下を歩いていた時。
突如として、颯都に鋭い頭痛が襲った。
「ッ…――!!」
神経を抉られるような急激な痛みに、壁に手を着いて自分の身体を支える。
「ッ――…(何だっつーんだよ…!)」
なかなか止まない痛みに堪えて、強く目を瞑る。
最近、ストレスの所為か小さな頭痛はあるものの、これほど強い頭痛はなかった。
かといって――フラッシュバックは起こらない。
壁に寄りかかり、痛みに眉寄せてひたすら頭痛が収まるのを待っていた。
「五十嵐…どうした、大丈夫か?」
顔を向けると正面から琉生が向かってきて、明らかに顔色の悪い颯都の顔を覗き込む。
「…平気だ」
強がる颯都を見て、琉生は呆れたように息を吐く。
「…今にも倒れそうな奴は、平気だって言わねーよ」
「平気だ。もう、治まった…」
「…ホントかぁ~?」
琉生は、いつものからかうような調子ではなくどこか心配げだ。
それもそう、初めて授業を休み、それも無断だったのだから。その上、廊下で具合を悪くしている様子を見たのだ。
「無断で休んですいません。明日は授業に出ます」
「…そうかぁ。あまり無理すんなよ~?」
妙な間があったが、琉生はいつものように笑顔で颯都の髪を撫でた。
「っ止め…」
「照れんな照れんな」
「照れてねぇ!」
そして颯都が反抗し、悪戯っ子のような笑顔を浮かべた琉生が受け流す。
「なんかあったら、いつでも相談しろよ~」
パッと手を離れ去っていく琉生を睨み、誰がするかと颯都は思った。
息を吐き、集中する目を気にせずに反対方向へ歩き出す。
その後ろから、見知った気配が近付いているのも知っていた。
隣に並んだ雪斗が購買で買った物が入った袋を差し出す。
「昼ご飯、食べてないでしょ?」
どこか気不味い雰囲気ではあるが、それを気にしない素振りで二人は歩く。
「…サンキュ」
礼を言って受け取る時も、互いに目を合わせる事はなかった。
目を合わせたら、どちらかが口火を切って言い争いになりそうだった。
その後の風紀委員会でも特別話さず、仕事を終える。
気晴らしに颯都はバスケ部へと足を運び、汗を掻き発散していた。
部活が終わってもそれは続き、部室には颯都と傑だけが残っていた。
「…五十嵐って、色気すげーよな」
汗に濡れたシャツを脱いでいると、後ろのベンチに座っている傑が何気なく感想を洩らす。
颯都は先程までの清々しい気分が一気に低下するのを感じた。
「…お前までそんな事言うのかよ」
肩越しに睨もうとする前に、逞しい腕が目の前を塞ぎそれを遮った。
颯都の身体を後ろから閉じ込めるようにして、傑は肌を舌で舐め始めた。
驚きと戸惑いを覚えるが、反射的に身を捩る。
「ッ…何、すんだよ…!」
「汗、舐めてる」
「そういう事を言ってるんじゃ…、瀬川…!」
「…はぁ、五十嵐…すっげーいい匂い」
興奮した息遣いと、汗を舐め取るように這う舌。
「阿呆か…ッ、正気に戻れ…!」
「ムリ。五十嵐が色気振り撒いてるからいけねーんだよ」
「はぁ!?…っいい加減に…!」
擽ったさがジワジワと快感に変わっていき、勝手に身体が震える。
脱け出そうとしても身動きが取れずにいると、固さを帯びたものが押し付けられている事に気付き、颯都は目を見開いた。
(瀬川まで…、)
(一体、何なんだよ…!)
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