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二十七。
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*
ーーービタンッ
しかし、それは空振りで終わる。
慎太郎があと僅かなところで顔を逸らしたからだ。
「…………………。」
「っ、な……何するんですか……?」
しかも冬護の顔に手を置き、キスを拒む慎太郎。
彼の中ではこの距離でさえ気絶しそうなのに、さらに進みそうな冬護の行動に恐怖した。
「………………………。」
ーーープツン、
だがそんな慎太郎の行動に、冬護の中で何かのスイッチが入る。
グイッ!!
「っ!?」
いきなり冬護は慎太郎の両手を掴み拘束した。
そして彼の首筋に、思いっきり歯を立てる。
ガリッ!!
「い"っ…だ!?な、何してっ……!!」
「……うるせぇよ。」
クッキリと残った赤の歯型に、冬護は目を緩め自らの下唇を舐める。
もう一度慎太郎の顔を掴み、身体を密着させた。
「雑魚のくせに、生意気に俺のことを拒むな。……大人しく俺を受け入れろ。」
「なっ!?」
(そんな自己中な…!!)
「は、離してください!!!」
慎太郎は必死に抵抗しようとするが、冬護の力が強すぎるため動けない。
冬護は片方の手で彼の手を拘束し、もう片方の手で彼の顔を固定させる。
今度は有無も言わさず、近づく2人の距離。
冬護の瞳には、内に秘めた炎が灯っていた。
「っ、」
それを見た慎太郎は、今度こそ目が離せなくなってしまう。
ちゅ……
ーーーそして重なってしまう唇。
「んんっ……!」
初めての口づけに、慎太郎は頭が爆発しそうだった。
しかも相手は、"あの"冬護だ。
「んっ……んぅ……!」
唇を割られ、無理やり開けられた隙間から冬護の舌が入り込む。
クチュッ……
少しだけ、のつもりだった。
しかしキスすればするほど、冬護の中で行為はエスカレートしていく。
「……ンン……、くちゅっ……ふぅ……っ……!」
少しだけのつもりだったのに、キスは止まらず逆に深くなっていくばかり。
舌を絡めるたびに、耳の中でイヤラシイ水音が響いた。
慎太郎の口のから容赦なく溜まった唾液が流れ落ちる。
途中息が苦しくなり、顔を逸らす慎太郎。
「はぁっ……や、め………!」
その行動さえ、冬護は顔を歪めイラついた。
「…チッ、鼻で息を吸え!下手くそがっ…!」
すぐ慎太郎の顔を引き寄せ、キスを続ける冬護。
「んぅっ、んんっ…!!」
息ができないくらい深いキスに、慎太郎の目からは涙が溢れた。
2人の体勢は次第に冬護が押し倒す形になっていく。
キスで力が抜け冬護の体重に耐えられなくなった慎太郎は、そのままベッドに押し付けられた。
「クソッ……邪魔だこの服……!!」
自制が効かなくなった冬護は、慎太郎の服を脱がし始める。
「……んっ……!ンンッ!」
それは流石に阻止しようとした。
明らかに性行為に行き着こうとしている展開。
(明日のために体力温存しなければならないのに、逆に発散してどうする!?)
冬護が慎太郎の服を脱がしているため、手は拘束から解放された。
慎太郎はその隙に近くにあった枕を掴む。
「そ、れは……っ……!」
ズルッと慎太郎のズボンが太腿まで下ろされた。
「流石に駄目ですからぁ!!!」
バコンッ!!!
そしてそれは見事に命中し、慎太郎は枕を冬護の顔面に叩きつけた。
その瞬間、動きが止まった冬護。
慎太郎はそこから逃れ、冬護から距離をあけた。
彼の服は乱れ、上半身や下着が見えている。
「はぁっ……はぁっ……!」
冬護は顔面に当たった枕を受け止めた。
枕のお陰で、冬護の顔はちょうど隠れている。
「お、落ち着いてください…。今日は明日のために寝ましょう。」
「……………………。」
なんとか落ち着かせようと、慎太郎は冬護に語りかけた。
無言になった冬護は、枕を持ったまま動かなくなる。
「………じゃ、じゃあ…っ……おやすみなさい!!」
もう訳が分からなくなった慎太郎は、逃亡するように隣のベッドで眠った。
冬護に襲われないように、布団でグルグル巻きになりながら。
ーーーーーー
ーーー
その後、冬護は静かに枕を外し呆然としていた。
(……なんだ、さっきの。)
自分としては信じられない、突如として目覚めた性への欲求。
今まで数えきれない相手と気分でしてきたが、あんな衝動は初めてだった。
慎太郎と口づけをしている時、一糸纏わぬ身体で交わりたいと思ってしまう。
口内を満足するまで蹂躙し、慎太郎の秘めた奥を暴いて容赦なく穿ち、彼を滅茶苦茶に啼かせたいと考えてしまった。
「……マジかよ。」
確信してしまった自分の想いに、冬護はショックを隠しきれない。
しばらくの間、彼はその場から動けなかった。
ーーーしかしその数時間後、彼は潔く慎太郎への気持ちを認めた。
それは焔の言葉もあり、自分の気持ちに向き合った結果だった。
それから冬護の様子が変化するのは次の日のこと。
その変化に気づけたのは、慎太郎だけだった。
ーーーーーー
ーーー
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